テキーラの個人輸入とは?
テキーラの個人輸入とは、日本国内の業者から購入するのではなく、海外のメーカー・酒販店から直接自分宛てに発送してもらうことです。以下では個人輸入のメリット・デメリットからやり方、筆者が実際に輸入したケースも紹介します。
テキーラの個人輸入を何故するか
筆者だけでなく、一部のテキーラ愛好家は個人でテキーラを輸入する方がいらっしゃいます。なぜ日本でもテキーラは売っているのにテキーラを個人輸入するのでしょうか。
テキーラの個人輸入のデメリット
個人輸入という色々とメリットがあるからやっていると想像されるでしょうが、予想以上にデメリットもあります。まずは正直にデメリットからお伝えいたします。
多くの銘柄は日本で買うより高い
わざわざ海外から購入するのだから日本で買うより安いんでしょ?と思われるかもしれませんが、大半の銘柄は日本で買ったほうが安いです。詳細は後述しますが、本体価格(現地通貨を円換算)だけで言えば海外の方が安いケースも多いですが、輸入費用が数千円かかってくるため、基本的には多くの銘柄で日本で買ったほうが安いです。
時間・手間がかかる
時間は当然海外から発送してもらうことを考えたら、当然日本国内で購入したほうが早いです。また手間も正直、英語での注文、(転送サービス利用の場合中継の手間)、受け取り時等に関税を支払う必要があるため、手間もかかります。だいたい2週間程度は
テキーラの個人輸入のメリット
前述のデメリットがある中、なぜ筆者を始めテキーラ愛好家は個人輸入するのでしょうか?以下ではメリットをお伝えしてまいります。
日本にない銘柄が飲める
日本に輸入されているテキーラの銘柄はおおよそ300〜400銘柄程度と言われております。一方、アメリカの大手テキーラ販売サイトであるOld Town Tequilaではテキーラでフィルタリングすると2,336銘柄もあります!(セットやノンアルコールも含まれるため、減りますがそれでも日本よりも圧倒的に多い)
銘柄数が少なくても美味しい銘柄がすべて入ってきていれば、わざわざ高いコストをかけてまで輸入しなくて良いと思います。ただTequilaMatchmakerの点数の高い蒸留所ランキングを見ると、トップ10のうち輸入されている蒸留所は4つしかないのです。(1銘柄でも入ってきていれば、カウントしています)
日本にも多くの素晴らしい銘柄は入ってきていますが、まだまだ飲めていない銘柄は多くあるのです。テキーラ愛好家としては飲みたくなりませんか?
稀にアメリカから個人輸入したほうが安い
レアケースなので、メリットとまでは言えないですが、海外に比べて日本国内のほうが圧倒的に高い値段で発売しているブランドがあります。そのようなブランドではアメリカで買うと日本の30%程度の値段で購入できるため、輸入コストをかけても安く買えます。ただ現状だとおそらく1ブランドのみとなります。(どのブランドかはお伝えしないでおきます)
海外ではテキーラはいくら位で売っているのか?
2022年7月30日現在、大変な円高なので、単純に比較するのが正しいかは疑問が残りますが、フォルタレサ・ブランコで米国Old Town Tequila、英国Master of Malt、日本は楽天の最安値(フェリシティ)で比べてみます。
楽天最安値:6,855円
英国:£58.25 → 9,450円
米国:$47.99 → 6,394円
一方、日本で売っていないEl Tequileno Platinamuで比較してみたところ、
英国:£32.45 → 5,264円
米国:$42.99 → 5,728円
となりました。概して米国のほうが安いですが、英国も決して引けを取りません。
テキーラの個人輸入のやり方
テキーラの輸入方法には主に二種類あります。一つは海外の酒販店から直接発送する方法、もう一つは個人輸入転送サービスを提供する業者を利用する方法です。筆者が個人輸入転送サービスしか使用したことがないため、こちらを中心に記載します。
海外の酒販店から直接発送
海外のオンラインショップから直接発送するパターンです。海外のオンラインショップでも日本へ多く発送している店だと容易に発送ができます。このやりかたのメリットとしては、オンラインショップとのみやり取りをすれば良いこと、比較的早く日本に輸送してくれることです。一方デメリットとしては、オンラインショップ側が海外・日本への発送に慣れていない場合、エラーが多い。内容にもよりますがコストが掛かることです。
私はアメリカのOld Town Tequilaというサービスでやったところ、何故か住所で弾かれてしまい、サービスに問い合わせて回答頂けたのですが、解決できなかったたため個人輸入転送サービスを利用しました。(どうやらここ数年直送はしていないようです)
個人輸入転送サービスを利用する
個人輸入転送サービスとは何かというと、一旦海外のオンラインショップから個人輸入転送サービスの倉庫に発送し、そこから日本向けに発送してくれるサービスのことです。
このサービスを使うメリットとしては、海外へ発送してくれない業者でも一旦サービスの倉庫に発送するため利用可能であること、海外への発送の専門家のため通関のための書類作成などでトラブルが少ない、輸送コストがDHLなどと特別な契約を結んでいるため比較的安価に送れる。サービスにもよりますが、海外とのやり取りが多いため、質問などをしても比較的迅速に返答してもらえることです。
デメリットとしては、オンラインショップ→倉庫に送る日数とコストがかかる。
筆者のケーススタディ、コスト・手順
今回はアメリカから個人輸入転送サービスを利用しました。その体験談・かかったコストを解説していきます。今回業者は個人輸入転送サービスをPlanet Express、オンラインショップはOld Town Tequilaを利用しております。
全体的な流れ
個人輸入転送サービスと契約
契約と書いておりますが、難しいことはなく、「ユーザー登録」&「デポジットを$5入れる」だけです。
まずはPlanet Expressにアクセスし、ユーザー登録を行います。住所の書き方がわからない場合は君に届けなどを参照願います。
次にデポジットを$5入れます。デポジットを入れると、自分専用の住所が作られます。デポジットがあることで悪用が減るためにデポジットを必須としているようです。
自身のクレジットカードを海外のオンラインショップで使用するのが不安な場合はPayPalを使用しましょう。
個人輸入転送サービスはいくつかあるのですが、お酒を発送してくれる業者限られております。Planet Expressは海外発送してもらえる、また日本語にも対応しているため、おすすめです!
プレミアムプランというものもあり、現地の消費税がかからない倉庫(オレゴン州)を使用できるようになるのですが、オレゴン州の倉庫はアルコール発送に対応していないため、フリープランのみで大丈夫だと思います。
オンラインショップで購入し、自分の住所に郵送
前述の転送サービスの住所へオンラインショップから購入、発送します。住所はもちろんPlanet Expressの住所宛に発送しましょう。オンラインショップからPlanet Expressへの送料もかかりますので注意です。
Planet Expressから発送
オンラインショップからPlanet Expressに荷物が届くとメールで通知が来ます。メール到着後にやることは、「税関用に買ったお酒の記載」「DHLのアルコール発送用に包む」「支払い並びに発送」となります。
税関用に買ったお酒の記載:通関のために「酒の銘柄名」「原産地」「容量」「本数」「金額」を記載
DHLのアルコール発送用に包む:Special Requestで「Please repack according to DHL alcohol regulations.」と入力しましょう。$5かかりますが、これでDHLに発送してくれます。。
支払い並びに発送:発送はDHLを選択肢、発送しましょう。郵送費用をデポジットしたら発送してくれます。通常のDHLと契約するよりも規模の経済でPlanet Expressが割引してくれた金額で発送できます。
関税・消費税の支払い
日本に着荷すると税金(関税・消費税)を払うようにメールが来ます。クレジットカードでDHLに支払うと自宅に送ってくれます。
何本まで送れるか
気になるのは何本まで送れるかという部分かと思いますが、個人輸入(届け出不要)の場合は瓶の重量を除いて10kgまで遅れます。アルコールは水よりも軽く、1ml=0.789gなのでざっくり一本あたり690gぐらいです。14本ぐらいまではおくれる計算ですね(40度、750mlで計算)
筆者はいくらかかったのか
結論、テキーラを6本の個人輸入に対して、以下の費用がかかりました。(自分用5本、知り合い用1本)
日本円(¥135/1$) | 米ドル(¥135/1$) | |
米国消費税 | ¥3,929 | 29.1 |
米国内発送費 | ¥1,958 | 14.5 |
リパック費用 | ¥675 | 5 |
DHL費用 | ¥21,230 | 157.26 |
関税・消費税 | ¥9,000 | 66.7 |
諸費用計 | ¥36,791 | 272.5 |
テキーラ代 | ¥38,332 | 283.94 |
総計 | ¥75,123 | 556.5 |
表の通り日本円換算でおおよそ7.5万円の支払いでした。現在、だいぶ円安(表は1ドル135円換算)が進んでいるため、おおよそ一本あたり6千円ほどの諸費用がかかりました。2022年8月現在の為替相場で計算しておりますが、年初くらいの110円だと一本あたり5千円といったところかと思います。
個人輸入するときのおすすめやり方!
おすすめブランド
海外から輸入するなら当然コストがかかるため、日本未発売銘柄でないと意味がありません。
個人的にテキーラ道場さんなどで飲んでおすすめの銘柄は以下です。
Siembra Valles
カスカウィン蒸留所が作るブランド。
G4
名門カマレナ家の4代目が作るブランド。
LALO.
ドン・フリオの孫が作るブランド。最近、私がもっともハマっているブランドです。ブランコしかないですが、大変おすすめのブランドです。
海外の酒販店から直接発送
海外の酒販店から直接発送するなら、テキーラの品揃えが揃っているアメリカか、比較的日本への発送数が多いイギリス(スムースかつ比較的安い)が良いそうです。
アメリカの場合は上記のUptown Spirits、イギリスならMaster of Maltが おすすめ。
編集後記
テキーラの個人輸入に興味を持っていただけたでしょうか。ぜひ、日本流通銘柄だけではなく、海外流通の魅力的な商品も楽しんでみてください。
テキーラの知識や日本流通銘柄でおすすめを知りたい場合は以下をご覧になってみてください。
筆者渾身のテキーラ解説動画
筆者のおすすめテキーラ
テキーラの基礎知識
テキーラの一歩進んだ知識
著者情報
- 著者名:テキーラダディ
- 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
- 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
- テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。
Twitterはおすすめ銘柄などを発信
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