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テキーラはハリスコ州の中でもバジェスとロスアルトスで味わいに差がでる

テキーラの産地 テキーラ基礎知識

本サイトはテキーラの魅力を発信するため、未成年者の閲覧を禁止いたします。

今日はテキーラの産地別特徴について、わかりやすく2つに分けてご説明します。

テキーラはハリスコ州を中心に製造されている

テキーラの説明記事で、テキーラはハリスコ州を中心に作っていることをお伝えしました。
法令で、テキーラと名乗るためには、ハリスコ州を中心としたエリアで作り、原料アガヴェの原料の割合の規定を守る必要があります。

蒸留所はハリスコ州に約150箇所、それ以外の3州(ミチョアカン州・グアナファト州・タマウリパス州)に6箇所のみあります。
またアガベはハリスコ州以外に4州(上記3州に加えナヤリ州)での生産が認められております。

テキーラ地図
サントリー・サウザ特集ページより

ハリスコ州の中でもバジェス地方とロスアルトス地方が中心

ただハリスコ州の中でも、すべてのエリアでテキーラを作っているわけではありません。
主に2つのエリアに農場・蒸留所が固まっています。
バジェス地方(RegionValles)とロスアルトス地方(Los Altos)が主な生産地です。
よく知られた銘柄の多くはこの2つのどちらかで作っていることが多いです。

それぞれの地方は、その高度からバジェス地方がローランド、ロスアルトス地方はハイランドと呼ばれています。
テキーラ関連のメディアでは、ローランドとハイランドと呼ばれることもあるので、覚えておいてください。

ロスアルトスとバジェスの有名なエリア

ヴァジェス地方の中でもテキーラやアマティタンやエル・アルナルなどの市町村があります。
ロスアルトス地方ではアランダスとアトトニルコ・エル・アルトがテキーラの作っている村としては有名です。
ロスアルトス地方は行政単位で北と南で別れており、南ロスアルトスが上記の村が属しており、北は南ほどテキーラづくりが盛んではないようです。

フードポートより

ロストアルトスとバジェスの味わいは違う

日本酒やワイン、ウィスキーと同様に、作っているエリアで味の特徴があります。
2つの地域で土地の標高・肥沃さに差があり、またテキーラを作ってきた伝統が影響していると思います。
当然、銘柄ごとの特徴もありますが、エリアごとの特徴を覚えることで自分好みの銘柄選びに活かせると思うので、以下で紹介していきます。

上の地図だと、近そうに見えますが、
テキーラ村とアランダス町は150km以上離れており、車で5時間以上はかかるそうです。
日本で言えば、ワインで有名な山梨県勝沼と成田空港ぐらい離れています。
それは農作物の味に違いも出てきますよね。

バジェス(Valles)地方の特徴

テキーラ村があることからわかるように、昔からテキーラを作っているエリアです。そのため伝統的な製法を守っているところが多いと言われています。

土地の地質としては、テキーラ火山(Volcan de Tequila)があり、火山灰土壌で標高は1.2千メートル(テキーラ村)ぐらいです。後述するロスアルトス地方に比べるとアガヴェは小さめで、ストレートな甘さと評されます。
大手蒸留所の銘柄でいうと、クエルボやサウザ、オレンダインのテキーラ御三家とも称されるメジャーな銘柄。(御三家なら断然オレンダインがおすすめ)
また私がおすすめの銘柄としては、カスカウィンやフォルタレサなどがあります。
味わいとしてはストレートな甘い香りと、辛味と苦味を感じることが多い傾向です。

ロスアルトス(Los Altos)地方の特徴

ロスアルトスは1900年以降にテキーラづくりが本格的に行われるようになりました。そのため比較的新しい蒸留所のほうが多いです。
火山灰土壌のバジェスに比べると、ロスアルトスのほうが粘土質で土地が肥沃になっておりいます。また高度も高く、2千メートルを超えております。結果として、栽培したアガベが大きくなり、大きいアガベのほうが甘くなります。

また苦味の強いコゴージョと呼ばれる芯の部分を外す蒸留所もバジェスに比べると多く、苦味が少ない所も多いです。
(アガベやコゴージョについてはアガベの説明記事を参照

どちらかといえば、テキーラに慣れていない方にも楽しんでもらいやすい銘柄です。
大手蒸留所の銘柄だと、パトロンドン・フリオエスポロンなどが有名な銘柄です。

筆者がおすすめの銘柄ではG4やドンナチョなんかがあります!

余談:最近の傾向

テキーラ需要増加に伴いアガヴェが高騰しております。その結果、蒸留所が位置するエリアの畑だけでなく、別のエリアの畑のアガヴェを使うケースも増えてきています。また作り手の工夫などにより、バジェス地方のアガベにロスアルトスのアガベも使うということで、味わいのバランスを取るということも増えてきているようです。以前は新興のブランドで聞いた話でしたが、最近は伝統的な作り手でも同様の取り組みが増えてきていると、伝統的な蒸留所の方からの話でもあったりします。

地方別蒸留所の銘柄紹介

エリアでの好みの傾向を掴んで、色々と試してみてください。ただあくまでもエリアの特徴であって、最後はどこまで蒸留所が丁寧に作るかによって、味は全く異なります。
ちなみに私はどちらかといえば、ロスアルトス地方のほうがもともと好きでした。最近、色々と飲む銘柄が増えてきて、どちらの特徴もそれぞれ好きになってきました。

バジェス地方の蒸留所銘柄

ロスアルトス地方の蒸留所銘柄

細かな村を知りたい場合は英語版のウィキペディアをご参照ください。
ロスアルトス地方
ヴァジェス地方

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テキーラの基礎知識

テキーラの一歩進んだ知識

著者情報

  • 著者名:テキーラダディ
  • 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
  • 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
  • テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。

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