こんにちは、今日はテキーラだけどテキーラじゃない、ポルフィディオというブランドについてご説明します。
サボテンが中にある特徴的なボトル
このボトルは見たこと、飲んだことがある方も多いのではないでしょうか。
特徴的なボトルで、結構置いてあるバーも多いと思います。
テキーラの取り扱いが2銘柄しなかいバーだと、ミクストとこれだけ置いてあるといった店は結構多いですよね。
テキーラの基準は満たしているどテキーラじゃない
そして多くの店では、テキーラと紹介されがちですが、実はテキーラじゃないんです。
(テキーラの要件はこちら)
ポルフィディオは以前はNOMがついた正式なテキーラだったのですが、
現在は要件を全部満たしていますが、ポルフィディオ・レポサドはテキーラじゃないんです。
(過去のNOM1141です)
ポルフィディオがテキーラではなくなった理由(創業者の見解)
オーストリアから来た革新的なテキーラ起業家
ポルフィディオのオーナー創業者は、オーストリア出身のマーティン・グラスル(Martin Grassl)というかたです。
彼はそれまでテキーラでは導入されていなかった3回蒸留、エクストラアネホの名称、印象的なボトルなど、テキーラ業界の常識を超えた取り組みを数々行っていきます。
そんなオーストラリア出身の彼が作ったプレミアム・テキーラは、アメリカのセレブたちに受け入れられ、プレミアムテキーラの中でも特筆してアメリカで売れました。
ビジネスとして成功したグラスルへの攻撃
また様々な関連ビジネスにもトライし、成功を収めます。
今では有名蒸留所では当たり前になった、テキーラ蒸留所の観光化などもその一環です。
その結果、メキシコ人が大好きなテキーラで、外国人が成功したということも相まって、メキシコ国内での嫉妬が高まったそうです。
一時期は蒸留所を襲撃されたり、息子を拉致され本人はメキシコ軍に保護といった事態もあったそうです。
テキーラ表記がなくなったポルフィディオ
農作組合やNOMを管理するCRTと揉め、テキーラではないとイチャモンを付けられ、訴訟にまでいたります。
判決では、メキシコ用のテキーラはNOMをつけれるが、輸出用はNOMとテキーラという表記ができなくなるという決着になったとのことです。
(現在、メキシコ国内でテキーラ呼称しているかは、記事が数年前のもののため、不明。)
今までにない、醸造、蒸留方法へのトライや、ボトルの作り方、観光化、アメリカでのプレゼンスアップなど、実験的な挑戦を多くやったポルフィディオに対して、嫉妬心とはいえあまりの仕打ちだと私は思います。
上記は以下リンク等、彼の英文インタビューを中心に私なりに解釈したもので、グラスル側の発言をもとにしているので、CRTからすると若干違う言い分もあるであると思います。
ちにみにマーティン・グラスルを知っている人に聞くと、メキシコ人を小馬鹿にしたりと嫌な奴であると言った話もあります。
CRT側の主張だとポルフィディオはテキーラに適合しないアルコールを出荷していたと言った話もあり、真相は定かではありません。
(参考:Tequila.net The History of Porfidio Tequila)
味わい・香りが甘さしっかり、熟成感も強い
肝心の味わいはどうかというと、しっかりとアガヴェらしい甘さが際立ちます。
嫌な甘さではなく、サラッと入ってくる甘さです。
香りもバターやキャラメルみたいな甘さを感じます。
レポサドの中では8ヶ月と長期で熟成されており、また樽も110Lの小さい樽でアメリカンホワイトオークの新樽を使うことで、熟成感が強く出ていると思います。
(レポサドは2ヶ月〜呼称、樽は通常180Lが一般的)
またアルコールのツンとした感じがせず、大変飲みやすい一品です。
有名人のファンが多い逸品
昔から有名人に人気な逸品として知らており、ロバート・デニーロがファンとしては有名です。
日本テキーラ協会の林会長いわく、アメリカの寿司バーで彼がポルフィディオをボトルキープしていて、それをコッソリ北野武監督が飲んだ話は秀逸です。
(参考:日本テキーラ協会・林会長のブログ)
定性情報
NOM(製造者番号):なし
蒸留所:Inmobiliaria Mast, S.A. de C.V.
エリア:ハリスコ州バジェスエリア
熟成:レポサド(8か月)
度数:39.3度
相場:8,000円(記載時の大体の値段)
おすすめ度:☆☆☆☆−
いかがでしたでしょうか、ポルフィディオを飲んでみたくなりましたか?
(私もこの記事を夕方に書いておりますが、ポルフィディオを飲みたくなりました。。。)
試してみたことがない方は、ぜひ一度試してみてください!
ちょっとお高いですが、その値段を出す価値は間違いなくあります。
楽しんでみてください。
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