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アガベ農家が作るドン ナチョ(Don Nacho)レポサド&ブランコを紹介

donnacho ★★★★

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本日はテキーラの原料となるアガベの農家が、自ら製造に乗り出したドン ナチョのレポサドとブランコを合わせてご紹介します。ドンナチョは価格帯別のおすすめテキーラ銘柄でも紹介した大変おすすめの銘柄です。

ドンナチョはアガベ農家が自ら作るテキーラ

テキーラの蒸留所・ブランドが自ら農園を持って製造するケース(オチョなど)もありますが、自社農園を持たず、原料のアガベは多くが農家から購入しています。

ドンナチョがテキーラ作りを始めるまで

ドンナチョはそのようなアガベ農家として1982年にスタートしたそうです。
1993年に100%アガベという表記が確立され、アメリカでのプレミアムテキーラに対するニーズが更に高まりました。その需要の高まりから、原料のアガベは、2002年に最高値を更新します。
おそらくアガベ農家としては2002年は大変利益が出た年だと推察されます。そしてドンナチョは翌年2003年にテキーラ作りを開始します。
自社の素晴らしいアガベをテキーラづくりに使用した結果、ドンナチョは大変人気の銘柄となりました。今ではテキーラ評価サイトで80点以上の銘柄しか存在しない、大変人気のブランドです。(2021年7月現在)

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http://www.tequiladonnachousa.com/より

アガベ農家がテキーラを作るメリット

アガベ農家がテキーラを作るメリットは、いくつか存在すると一般的には言われています。
アガベ栽培→テキーラづくりが垂直統合された経営となるため、良いテキーラを使用することができる。
また前述したようなテキーラ需要の増加に伴い、アガベが高騰した際でも自社で使うアガベの質を落とさずに製造できる。(2019年に再度アガベ価格はピークを迎え、いろいろな銘柄で味が落ちたと言われる)

逆に、デメリットとしては、アガベが自社農園のエリアで黒カビ病流行などが起きると、通常の蒸留所以上にコスト高になってしまうことでしょうか。

ドンナチョの作り方

ドンナチョのアガベは自社農園と記載しましたが、エリアとしてはロスアルトス地方です。ロスアルトスの特徴としては肥沃で高地な土地柄から濃厚でクリーミーさを感じる甘さになります。
アガベは収穫時に皮を少なくカットしたほうが辛さが抑えられるのですが、下の2つのInstagramはドンナチョとアガバレスなのですが、圧倒的にドンナチョのほうが皮を少なくカットしているのがわかると思います。
※アガバレスはバジェス地方なのでサイズが小さく皮は残りやすい傾向
写真だけでは一概に言えませんが、やはりドンナチョは味わいからも皮が少なめだと思います。

その後のアガベの加熱はマンポステラと呼ばれる釜で蒸し焼きでじっくりと加熱します。
アウトクラベという圧力釜で加熱する蒸留所も多いですが、3倍位時間のかかるマンポステラのほうがアガベが茶色く、しっかりとした甘さがでます。(アウトクラベだと青っぽい甘さ)

レポサドは6ヶ月熟成なのですが、ドンナチョでは新樽を使います。多くのロスアルトスブランドはバーボンの中古樽を使うことが多いため、珍しいです。

新樽と言っても、テキーラでは蒸留所が樽メーカーから買ってきたら新樽です。複数回使ってもバーボンなどの貯蔵に使われていなければ全て新樽となります。一度も使っていない樽を使う銘柄などではヴァージンバレルと呼ばれます。

ドンナチョの味レビュー

ブランコの味わい

まず樽熟成をしていないブランコからレビューしてまいります。


香りを嗅いでみると、しっかりと加熱されたアガベ独特の香り、オレンジを中心としたフルーツ系の香りを感じます。
次に飲んでみると、パワフルな味わいを感じます。濃厚でしっかりした甘さ、少々の辛さで苦さはほぼ無いです。
鼻を抜ける香りは花っぽさ、バター、メロンなど多様な味わいです。

3千円前半でこの味わいは良いですね!

レポサドの味わい

次に6ヶ月熟成されているレポサドを確認していきます。


香りはブランコでも感じた加熱されたアガベに加え、ヴァニラの香りを感じます。
飲んだ方が濃厚でしっかりとしたアガベの甘さ、辛さや苦さはブランコ以上に感じづらくなります。アフターノーズはバター、桃やパインなど濃厚な甘いフルーツを感じます。

ブランコより5百円くらい値段は上がりますが、個人的にはレポサドがイチオシです!

オススメの飲み方

当然ですがストレートはどちらのブランドもおすすめです!
ゆっくりと味わっていただきたいと思います。桃やパイナップルなどのフルーツをつまみにいかがでしょうか?


またレポサドはロックも良いと思います。ソーダ割りで飲むならブランコのほうがもおすすめです。
ソーダ割りなら味が濃い目のものと合わせると、食中酒としてぴったりかと!

カクテルならマルガリータをテキーラ多めのレシピで作ったりしてはいかがでしょうか?
ほかにもトミーズマルガリータなんかもおすすめですね。ストローハットみたいなスパイシー系は個人的には合わないと思います。

定性情報

NOM:1508
蒸留所:Fabrica de Tequila Don Nacho, S.A. de C.V.
エリア
 蒸留所:ハリスコ州ロスアルトス地方
 アガベ産地:ハリスコ州ロスアルトス地方
加熱方法:マンポステラ
搾汁方法:ローラーミル
加水:地下水
発酵槽:ステンレス製発酵槽
蒸留回数:2回
蒸留器:ステンレス製留器
度数:38度
【ブランコ】
熟成:なし
相場:3,200円
おすすめ度:☆☆☆☆+
【レポサド】
熟成樽:アメリカンホワイトオーク
熟成期間:6ヶ月
相場:3,700円(記載時の大体の値段)
おすすめ度:☆☆☆☆
(上記はTequila match makerと製造元HPを参考にして作成)

買いたい場合は、、、

いかがでしたでしょうか。値段の割に大変美味しく、おすすめ銘柄です!
飲みたくなってみたという方は、ぜひ以下からご購入して見ください。

ドンナチョの新しい取り組み、ソモンケの発売

ドンナチョは前述の通りアガベ農家が出しているブランドで、全て100%アガベのブランドです。そんなドンナチョの蒸留所から2021年に日本で発売された意外なブランドを発売したので、ご紹介させていただきます。

まさかの100%じゃないテキーラを発売

なんとそのブランドはソモンケというアガベを100%使用していないブランドです。以前の記事でも投稿させていただきましたが、テキーラには100%アガベテキーラとテキーラ(いわゆるミクストテキーラ)のカテゴリーがありますが、ソモンケはミクストになります。

テキーラ好きには一般的にはミクストは100%アガベに比べ下のグレードと認識されることが多く、事実高騰が続いているアガベを糖分のすべて使用した100%アガベのほうが一般的にはコスト高になります。

ただアガベの高騰が続く中、100%アガベではない銘柄を作ることで、継続的なテキーラづくりの一つの手段としては面白いと思います。

ソモンケのこだわりの作り方

まずミクストテキーラは51%以上が条件となる中、ソモンケは70%アガベを使用しているそうです。
また無添加というこだわりようです。ミクストのゴールドと呼ばれる銘柄は、熟成風を出すためにカラメルなどを添加し、色付けをするのですが、ソモンケは無添加でウッドチップでの樽感・色を出しているそうです。ただならぬこだわりを感じる作りです。

参考:テキーラジャーナルnote(テキーラ道場の中の人)

興味を持った方はぜひソモンケも試してみてください。

編集後記

テキーラをもっと知りたくなかった方用リンク集

テキーラ自体をもっと知って、楽しく飲みたいという方は、以下リンクをご参考にしてください。。

筆者渾身のテキーラ解説動画

筆者のおすすめテキーラ

おすすめ銘柄
「おすすめ銘柄」の記事一覧です。

テキーラの基礎知識

テキーラの一歩進んだ知識

著者情報

  • 著者名:テキーラダディ
  • 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
  • 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
  • テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。

Twitterはおすすめ銘柄などを発信

筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!

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