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サウザ家の末裔が作るフォルタレサ スチルストレングス(Fortaleza Still Strength)をレビュー&解説

★★★★+

本サイトはテキーラの魅力を発信するため、未成年者の閲覧を禁止いたします。

本日は日本でも有名なサウザ家の末裔が製造するフォルタレサ ブランドの中でも、特に人気の高いブランコ スチルストレングスをご紹介してまいります。
フォルタレサはテキーラマッチメーカーというサイトの蒸留所別平均点数で最も高い評価を得ている、大人気銘柄です。ぜひ読んでご賞味ください!

テキーラ作りの名門サウザ家5代目が作る独自ブランド

テキーラを世界の人気蒸留酒に押し上げたサウザ家

サウザはドン・セノビオ・サウザという人が1873年に蒸留所を作ります。セノビオはそれまでアガベで作られたお酒は全てメスカルと呼ばれていたものを、テキーラ村で作ったことからテキーラという名前で売り出します。ただのメスカルの中の地酒であったテキーラ村のお酒を「テキーラ」とブランディングしたのでした。

ドン・セノビオ・サウザ Don Cenobio Sauza 1842 - 1903
サントリー社サウザの歴史より

二代目のエラディオは樽売が主流だったテキーラを瓶売にするなどして、市場の中でも基盤を盤石にしていったそうです。

ドン・エラディオ・サウザ Don Eladio Sauza 1883 - 1946
サントリー社サウザの歴史より

三代目のドン・フランシスコ・ファビエル・サウザは海外の拠点を増やし、テキーラというお酒を世界中に認知させたそうです。また彼は1974年にメキシコ政府に働きかけ、テキーラの原産地呼称を制定したことです。当時、テキーラは模造酒などが徐々に横行し始めそうだったため、テキーラというお酒の品質安定を目的として制定したそうです。これが功を奏し現在、テキーラの世界的な地位があるといっても過言ではないでしょう。

ドン・フランシスコ・ファビエル・サウザ
サントリー社サウザの歴史より

テキーラ製造を売却したサウザ家

1970年代から徐々にサウザ蒸留所の株を売却し始め、1988年までにサウザの経営はスペインの大手ブランデー製造会社のペドロメックに売却されました。その後、様々な企業の手に渡り、現在はサントリーの子会社、サントリービームの蒸留所として運営されています。

5代目がテキーラづくりを独自にスタート

3代目のファビエル氏の孫、創始者から数えると5代目のギレルモ・エリクソン・サウザ氏はテキーラ業界を離れていました。ただ一族の家業であったテキーラを作りたいという情熱が高まり、テキーラ作りを決めます。

3個あったうちの蒸留所が1個だけ売却されずに、サウザ家のものとして残っていました。その蒸留所の名前がラ フォルタレサ蒸留所です。この蒸留所は1968年に閉鎖され、ミュージアムとして残っていたため再興するのは大変な労力だったそうです。1999年に再建を決め、2005年に満を持して最初のフォルタレサをリリースしました。

ギレルモエリクソンサウサテキーラフォルタレザ
http://www.cocktailsandbars.com/guillermo-erickson-sauza-tequila-fortaleza/より

祖父たちへの敬意を持ったテキーラづくり、ロス アブエロス(Los Abuelos)

フォルタレサは実は海外向けの名前で、メキシコ国内向けのブランドはロス アブエロスという名前で作っております。中身は基本的には変えず、名前だけ変えています。その名前の由来は「おじいさんたち」という意味だそうです。先祖たちへの敬意からこの名前にしたそうです。そして、テキーラの作り方も祖父たちと同じ、伝統的な作り方で作るということを決めていたそうです。次項でテキーラの作り方について説明してまいります。

ドン・ハビエルとギレルモ、1968年
ファビエル氏とギレルモ氏、1968年の写真(tequilafortaleza.comより)

フォルタレサの作り方

The伝統的な製法を採用

フォルタレサは伝統的な作り方をします。
十分に成長させたアガベを収穫した後、古いマンポステラ(石釜)で加熱をします。アウトクラベと呼ばれる圧力釜で加熱・透過させるテキーラも多いですが、しっかりとマンポステラで36時間加熱させます。

プエルタホルノ
tequilafortaleza.comより

加熱されたアガベから糖分を搾汁するのにも、一般的にはローラーミルという手法を使うメーカーが多い中、タオナと呼ばれる石臼で潰して搾汁を行います。以前はロバが石臼を引いていましたが現在は電動トラクターで回しています。

破砕-タホナ
tequilafortaleza.comより

その後、発酵は木樽で行われます。発酵した液体を蒸留しますが、たいへん小さな単式蒸留器で2回蒸留されます。多くのテキーラブランドでは55ー60度まで2度の蒸留で上がることが多いですが、フォルタレサでは46度までしか上がりません。その結果、度数に対してアガベの味わいが大変濃いものになるのです。55度まで上がったものを46度や40度まで水で割るよりも、46度をそのまま使ったほうが味わいは濃いのです。

アランビック
tequilafortaleza.comより

ギレルモ氏による解説

以下ではギレルモ氏によるテキーラづくりに関する解説です。英語ですが、ゆっくりと喋ってくれているので、ぜひ見てみてください。大変美味しそうに焼かれたアガベが出てきます。

味の特徴

まず香りを確認してみると、しっかりと加熱されたアガベ、胡椒、土っぽさ、グレープフルーツ、オリーブ、草っぽい青さを感じます。
口に含むと柔らかい甘さ、辛さがあり、バターのような芳醇さを感じると思います。
鼻を抜けるアフターノーズは、グレープフルーツなどのシトラスのニュアンスが強くなる印象。
加水していないだけあり、パワフルな香りと味わいをしっかりと感じられます。

オススメの飲み方

ぜひ、ストレートで飲んでください。アルコールが不思議と46度までは、強く感じないので加水せず飲んでみてちょっときついようであれば氷の欠片を入れるぐらいにしましょう。
カクテルやソーダ割りなどで贅沢に飲むのも普段のカジュアルなテキーラに比べると、大変パワフルな味わいになると思います。ただし特筆しておすすめの飲み方はストレート一択です!

定性情報

NOM:1493
蒸留所:Tequila Los Abuelos, S.A. de C.V.
エリア
 蒸留所:ハリスコ州バジェス地方
 アガベ産地:ハリスコ州バジェス地方
加熱方法:マンポステラ(石釜)
搾汁方法:タオナ
加水:地下水
発酵槽:木製発酵槽
蒸留回数:2回
蒸留器:銅製単式蒸留機
熟成樽:なし
熟成期間:なし
度数:46度
相場:9,600円(記載時の大体の値段)
おすすめ度:☆☆☆☆+
(上記はTequila match makerと製造元HPを参考にして作成)

編集後記

買いたい場合は、、、

いかがでしたでしょうか。世界的にフォルタレサは人気で、2020年の世界のバーで最も流行っているテキーラブランドNo1にフォルタレサは選ばれるなトップトレンディング
飲みたくなってみたという方は、ぜひ以下からご購入して見ください。

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著者情報

  • 著者名:テキーラダディ
  • 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
  • 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
  • テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。

Twitterはおすすめ銘柄などを発信

筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!

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