本日はラベルに大きく鹿が描かれているカサドレスという銘柄のアネホをご紹介してまいります。
カサドレスの名前の由来
一見するとウィスキーみたいな見た目のカサドレス
このラベルを見たら、テキーラに明るくないお酒好きはおそらくウィスキーと勘違いされるのではないでしょうか。
角が生えている牡鹿のラベルで想起させる蒸留酒といえば、世界一のシングルモルトウィスキーであるグレンフィディックをイメージする方が多いと思います。
カサドレスはスペイン語でハンター
カサドレスを作り始めたのはドンフェリックスという人物で、彼は1973年にカサドレスを作り始めました。
そこから遡ること51年前の1922年にフェリックスのおじいさんがテキーラの原料になるアガベ畑を見ていたところ、雄大な雄鹿が来たそうです。彼が考えたテキーラのレシピのシンボルにこの鹿がなるとして、テキーラのレシピの名前をカサドレスにしたそうです。
上記の逸話はcazadores.com(英語)から引っ張ってきたのですが、若干眉唾感があると個人的には思いますが(ホンマかいな!!)、そいうった背景からスペイン語でハンターの意味であるカサドレスとしたそうです。
カサドレスの作り方とディフューザーについて
アガベの産地は前述の通りロスアルトス地方で作っております。
カサドレスの製造方法一番重要な要素としては、カサドレスは「ディフューザー」という機械を使っております。
多くのテキーラは収穫されたアガベを加熱→圧搾という工程を踏むみます。
(参考:圧搾・加熱について)
一方カサドレス等が使うディフューザーという機械は、アガベを細かく粉砕してから、高圧の温水でイヌリンを溶かして、イヌリンが溶けた液を圧力鍋で加熱して糖化させるという手法を取っています。
メリットは労働力が少なくて済む・糖類を現状の手法では最も多く得ることができる。
デメリットは味わいが他の手法と比べ劣ると言われており、テキーラ・マニアからはあまり好まれない製造方法といえます。
個人的には「アメリカのテキーラ需要増加に伴うアガベの高騰」と「経営の効率化」を鑑みるとある程度仕方がない手法だとは認識です。
ただしディフューザーを使っている蒸留所は大半の蒸留所が自社HP等でディフューザーの使用をカサドレスも含めて可能な限り伏せているように見受けられます。正直に記載しないことは、個人的には消費者を欺こうとしているように見えて、メーカーのスタンスとしては間違っていると感じます。
(私の調べた範囲でディフューザーを使っていることを自社HPで言っているのはビームサントリーのサウザぐらいです。ちなみにサウザも日本HPではなんとなくボヤかして言っているいます。)
樽はアメリカンホワイトオークの新樽を使用しています。
ロスアルトスは新樽を使用することが一般的に多いです。
ちなみにエスポロンと同じく、発酵時にクラシック(モーツァルト)をかけているそうです。
意味あるのかなぁとは個人的には思いますが、酵母が活性化されるとかあるんですかね。
味の特徴
まず香りはオーク、バニラ、キャラメルなど、茶色っぽい香り、加熱されたようなアガベも感じます。
口に入れると甘さをしっかりと感じるが、ロスアルトス産にしてはクリーミー/甘さの濃厚さが足りないように感じます。(ディフューザーだからなのか、プラセボなのかは不明)
オススメの飲み方
ストレートかロックが良いかと思います。
ソーダ割りなら少なめで割ると良いと思います。カクテルなどは樽香がシッカリとしているので、あまりオススメはしません。
定性情報
NOM:1487
蒸留所:Bacardi y Compañia, S.A. de C.V.
エリア
蒸留所:ハリスコ州ロスアルトス地方
アガベ産地:ハリスコ州ロスアルトス地方
加熱方法:ディフューザー後のアウトクラベ
搾汁方法:ディフューザー
加水:不明
発酵槽:ステンレス製発酵槽
蒸留回数:2回
蒸留器:ステンレス製単式蒸留器
熟成樽:アメリカンホワイトオークの新樽
熟成期間:1年
度数:40度
相場:4,000円(記載時の大体の値段)
おすすめ度:☆☆☆
(上記はTequila match makerと製造元HPを参考にして作成)
編集後記
買いたい場合は、、、
いかがでしたでしょうか。
ディフューザーについて少々苦言を記載した記事でしたが、一度飲んでみてご判断いただければと存じますし、そこまで悪いというものでもありません。
飲みたくなってみたという方は、ぜひ以下からご購入して見ください。
テキーラをもっと知りたくなかった方用リンク集
テキーラ自体をもっと知って、楽しく飲みたいという方は、以下リンクをご参考にしてください。。
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著者情報
- 著者名:テキーラダディ
- 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
- 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
- テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。
Twitterはおすすめ銘柄などを発信
筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!
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