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テキーラ名門一族が作るArette(アレッテ)

arettetequila ★★★★

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2023年より日本への輸入が始まった無添加のテキーラ、Arette。輸入以前に飲んだことがあり、輸入が始まるとの噂を聞いて以来、日本に入ってくるのをたいへん楽しみにしていたブランドです。ブランドの成り立ち、製法も含めて紹介してまいります。

アレッテの由来と歴史

アレッテは馬の名前から

1948年ロンドンオリンピックでの馬術でメキシコが栄光を手にしました。その勝利の中心にいたのは、「Arette(アレッテ)」という勇敢な馬。片目の視力を失っていたAretteは、多くの反対を押し切り、Humberto Mariles(ハンブレト・マリレス)将軍の手綱に導かれ、見事な勝利を収めました。この勝利がメキシコでの初めての乗馬競技における金メダルとなりました。この名馬に敬意を表し、このテキーラは「Arette」と名付けられました。

ボトルにはAretteの肖像

アレッテを作る蒸留所は名門の系譜

AretteはEduardo Orendain(エドゥアルド・オレンダイン)とJaime Orendain(ハイメ・オレンダイン)の兄弟がTequila村の中でも古くから存在する蒸留所で造り続ける伝統的なブランドです。Orendainは以下の記事でも紹介しているテキーラ御三家とも日本で称される名門蒸留所です。

このOrendain家の蒸留所として、約100年前に祖父Don Eduardo Orendain(ドン・エドゥアルド・オレンダイン)によって設立された小さな蒸留所が「El Llano(エル・リャノ)」です。使われていなかったこの蒸留所を1978年にAretteの製造のために再建されました。この再興した蒸留所を使い、本家のOrendainとは別のブランドを作り始めたのです。

Aretteテキーラの作り方

Clásica(23年日本輸入開始ライン)の作り方

Aretteの製造には、Los Valles(ロス・バジェス)地方で栽培されたAgave(アガベ)が使用されます。アガベはAutoclave(アウトクラベ)で加熱されます。

右のレンガできているのがマンポステリア、左がアウトクラベ/写真提供:テキーラ道場道場主

さらに、Roller Mill(ローラーミル)を通してアガベの糖分が抽出されます。抽出された糖は酵母により発酵されますが、蒸留所内の環境酵母を使用して、ステンレス製の発酵槽で発酵させます。発酵後はステンレス製の蒸留器(コイルは銅製)を使用して蒸留します。

Clasicaはステンレス製/https://tequilaarette.com/より

樽熟成はジャックダニエルズかバーボンのウッドフォードの中古樽を使用して、熟成。現在日本で発売しているレポサドは6ヶ月熟成をしているそうです。

前述した通り、Aretteは香料などの添加物を加えていない無添加テキーラとなります。添加物については以下の記事にまとめております。是非Aretteは無添加だからこそできるアガヴェと酵母、職人が作る味わいを楽しんでいただきたいです。

Artesanal(23年時点で日本未発売)の作り方

Aretteには23年に日本輸入が開始されたClasica以外にArtesanalという上位ラインがあります。まだ日本未入荷ながら、今後の輸入に期待しているため、今回ご紹介をさせていただきます。ArtesanalがClasicaと異なる点としては、加熱方法と発酵槽の違いです。

Artesanalの101Proof(50.5度)/Whitebearの事務所にて撮影

まず加熱はアウトクラベではなく、Horno de Manposteria(マンポステリア)で加熱をします。加熱時間は15時間とのことで、そこまで長くないようです。

次に発酵槽はセメント製の発酵槽を使用するのです。セメント発酵槽は現在Cascahuin蒸留所(カスカウィン)、El Tequileno蒸留所(エル・テキレニョ)とアレッテのEl Llano蒸留所の3箇所しか存在しておりません。発酵槽による違いとしては、Cascahuin蒸留所で働く景田さんに聞いたところ、味の複雑性が木製→セメント→ステンレス製という順番だそうです。ステンレス製に比べると複雑性が増すと同時に、木製ほどメンテナンスにかかる労力が少ないのがメリットだそうです。

セメント発酵槽/写真提供:テキーラ道場主

Aretteテキーラの味わい

今回はまずブランコの味わいレビューしてまいります。

ブランコ

  • 味わい
    • 香り:アガベ、ペッパー、草、若干ミネラル、旨味感
    • 味:甘さがあり、薄っすらと辛い
    • アフターノート:オレンジっぽさ、アガベ
  • おすすめの飲み方
    ◎ストレート、ソーダ割り、○ロック
  • Tequila Daddy’s Point:☆☆☆☆
    旨味感もありレベルの高いテキーラ。値段を考えると素晴らしい。今回、同じバジェス地方のカスカウィンとブラインドで比較していたが、味の華やかさはカスカウィンに軍配、アレッテのほうが質実剛健な印象。

レポサド

  • 味わい
    • 香り:アガベ、オーク、キャラメル、ペッパー、野菜、
    • 味:甘さとそこそこの辛さ
    • アフターノート:オーク、ハニー
  • おすすめの飲み方
    ◎ストレート、○ロック、ソーダ割り
  • Tequila Daddy’s Point:☆☆☆☆
    レポサドもアガヴェらしさが感じられて、美味しい。個人的な好みとしてはオーク感が若干強いが、エントリーのテキーラとしては良い気がする。値段も加味して素晴らしいと思う。

編集後記

今回のAretteに興味が湧いたら、ぜひ購入してみてください。間違いなく5000円前後で買えるブランコの中ではおすすめできるブランドです。大手通販サイトでは購入できないようないようなので、テキーラムーチョにてご購入してみてください。

ジェイドックス株式会社
国内有数の品揃えを誇るテキーラ&メスカル専門の通販サイト。税込2万円以上で全国どこでも送料無料です。 テキーラのG4,Tierras,メスカルのDERRUMBES,Cebuの輸入や、新橋に系列店のBARも御座います。

作成協力

記事作成直前にAretteへ訪問したテキーラ道場道場主とテキーラYoutuberのWhitebearに製法等のヒアリングと写真の提供をお願い致しました。主にX(Twitter)で情報発信されることが多いので、ぜひ検索してみてください。テキーラ道場道場主→@teqmae、Whitebearなつさん→@natshikoY、Whitebear準ちゃん→@junchan117。

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著者情報

  • 著者名:テキーラダディ
  • 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
  • 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
  • テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。

Twitterはおすすめ銘柄などを発信

筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!

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