本日は、個別の銘柄・ブランドではなくオレンダイン全体を説明してまいります。
テキーラ御三家(?)の一角、オレンダイン(Orendain)
歴史ある名門、オレンダイン
オレンダイン家は1840年からテキーラを作っている一族と関係を持ち始め、自社で蒸留所を持ち始めたのは1926年のことだそうです。このとき独立したのがエドゥアルド・オレンダイン・ゴンザレスという方です。
クエルボが1795年、サウザが1873年なので、彼らに比べると新しいブランドとはなりますが、約100年のブランドとなるので、老舗であることは間違いありません。
勝手に御三家?
色々なオレンダインのブランド紹介を見ると、テキーラの御三家と記載されております。私のサイトでも、「知名度が相対的に低いオレンダインを現地などではメジャーであると紹介するため」に御三家と記載することもあります。
ただ今回改めてオレンダインを調べていると、スペイン語・英語等のサイトを調べても、御三家に対応しそうな表現を見つけることはできませんでした。日本国内でのみ言われる表現かと思います。
ただしテキーラの売上としては、いわゆるミクストテキーラのブランコカテゴリーで現地No.1を誇るそうです。日本のミクストはクエルボ・サウザがほぼ独占しているので、現地の人気が伺えます。
またテキーラの基準・監督を務めるCRT(テキーラ規制委員会)の初代会長を創業者が務めるなど、権威があるといって過言ではないかと。
そのことからもテキーラ業界の御三家といっても過言ではないと思います。
オレンダインのこだわり
アガベ畑へのこだわり
創業者のEduaradoの時代からオレンダインは畑にこだわってきたそうです。
自社畑で5,000ヘクタール(東京ドーム1,000個分!!)も持っているそうです。
特にエル セロ デ テペコステ(El Cerro de Tepecoste)という畑は、主に上位ラインのグラン オレンダインに使用されているそうです。
すべてのテキーラをマンポステラで加工
テキーラは主にアウトクラベという圧力釜かマンポステラと呼ばれる煉瓦/石釜で加熱されます。
加熱方法については別の記事で詳しく記載しますが、アウトクラベのほうが圧力で短時間/マンポステラがゆっくりと温めるため長時間かかる。結果としてアウトクラベよりもマンポステラのほうが香ばしい甘さになります。
(最近は低圧力のアウトクラベなどもあり、必ずしも上記のとおりではないですが目安とはなります)
オレンダイン銘柄一覧
まず日本で正規輸入されている銘柄一覧は以下の通りとなっております。
ブランド名 | 熟成 | 度数 | 値段 |
オレンダイン | ブランコ | 40 | 2,000 |
オレンダイン オリータス | ブランコ | 35 | 3,500 |
オレンダイン オリータス | レポサド | 35 | 4,000 |
オレンダイン オリータス | レポサド(クリスタリーノ) | 38 | 4,000 |
グラン オレンダイン | ブランコ | 40 | 4,500 |
グラン オレンダイン | レポサド | 40 | 5,000 |
グラン オレンダイン | アネホ | 40 | 5,500 |
グラン オレンダイン | エクストラアネホ | 40 | 10,000 |
ミクストの中で評価の高いオレンダイン(Orendain)
オレンダインはいわゆるミクスト テキーラになります。
当サイトでは主に原料のアガベを100%使用した通称プレミアムテキーラを紹介しておりますが、ミクストとはアガベ以外の糖分も49%以下を原料として使用しています。
多くのテキーラを味わって飲む方には、ミクストは敬遠されがちですが、その中でもオレンダインは評価が高いです。TequilaMatchmakerというテキーラ評価サイトにおいてパネリストから71点(2021年10月現在)という評価を得ております。
他のミクストテキーラはサウザシルバーが42点、クエルボ エスペシャル レポサドが34点と酷評されていることを鑑みると以下に高い評価かわかるかと思います。
また前述の通り、メキシコ国内のミクストテキーラで最も売れているブランドであるようなので、現地評価の高さも伺えます。
おすすめ度:★
度数低いながらしっかりとした味わいオレンダイン オリータス(Olitas)
テキーラは規定で度数が35度〜55度と決められております。多くの銘柄では38度か40度なっております。そのような中、オリータスの度数は下限の35度です。
度数が低いとアルコールの刺々しさが軽くなると同時に、味わいや香りも弱くなるので好みが分かれがちです。個人的にはどちらかというと度数が高い銘柄を選びがちです。
そのような中、個人的には大変お気に入りの銘柄です。
また製法としては、多くのテキーラが2回の蒸留となっている中、オリータスは3回蒸留となっております。3回蒸留の特徴としてはどちらかというとスッキリとした傾向になります。ただオリータスは比較的しっかりした味わいになります。特にブランコは個人的におすすめです。
ブランコおすすめ度:★★★★-
レポサドおすすめ度:★★★+
高級ラインのグラン オレンダイン(Gran Orendain)
前述したとおり、オレンダインの中でも特にこだわった畑を使っております。
またオリータスと同様の3回蒸留としています。
同じ熟成くらすで飲んだときの味わいの深さは、やはりオリータスより濃い・複雑性があると感じます。特にレポサドがオリータスとの差異がしっかりとある、またアネホが無茶苦茶コスパの良い味わいをしており、個人的にはおすすめです。
ブランコおすすめ度:★★★★
レポサドおすすめ度:★★★★-
アネホおすすめ度:★★★★
エクストラアネホおすすめ度:★★★+
オレンダインの中でも特におすすめ銘柄
個人的に特におすすめの銘柄は以下となっております。
オレンダイン オリータス ブランコ
前述の通り、度数が低いながらしっかりと濃い味わい・香りのオリータスのブランコ。
値段もアマゾンで送料込みで3,500円ぐらいと購入しやすい。
飲み方もソーダ割り、ロック、ストレートとなんでもOKな美味しさ。
是非一度お試しください。
グラン オレンダイン ブランコ
オリータスよりも香りの多様性があり、おすすめの一品です。
香りはしっかりと加熱されたアガベ以外に、青っぽい植物を思わせる香りの中にフルーツの甘さを感じさせてくれます。
値段も一般的なテキーラの上級ラインにしては、比較的購入しやすく5,000円以下で購入可能です。
飲み方はストレートか小さな氷を一個だけ入れて飲むのが良いと思います。
グラン オレンダイン レポサド
正直、私はオリータスはレポサドよりブランコがおすすめです。ただグランオレンダインでは、こちらのレポサドは大変おすすめです。レポサドの中では長期の11ヶ月熟成ですが、ただ樽熟の香りだけでなく、上質なアガベを使用しているからか、様々な香りがして美味しく飲めます。
ぜひストレートで味わってみてください。
グラン オレンダイン アネホ
このアネホ、送料込みで5千円強で買えるのですが、なんと30ヶ月熟成です。3年を超えるとエクストラアネホなので、もう少し待てば良いのではないかなぁと思うほどです。
樽感がしっかりとあり、アガベの旨味もしっかりと感じられるよい商品です。コスパが良すぎですね。
ストレートで味わってみてください。もしくはロックなんかもおすすめです。あまり樽感とアガベの味わいのバランスが良くないとロックにしないのですがこちらはロックでもおすすめです。
いかがでしたでしょうか?
オレンダインは知名度イマイチながら、現地での人気の高さ、味わいの深さからテキーラに興味を持った方にはぜひ飲んでいただきたいブランドです。
また個別銘柄でレビューしてまいりますので、ぜひご覧ください。
テキーラをもっと知りたいと思った方は以下でテキーラの知識を深めてください。
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著者情報
- 著者名:テキーラダディ
- 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
- 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
- テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。
Twitterはおすすめ銘柄などを発信
筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!
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