本日はメキシコでも大人気の老舗ブランド、エラドゥーラ(HERRADURA)のブランド紹介&各定番銘柄のレビューをしてまいります。
以前にプラタ(ブランコ)だけご紹介しておりますが、今回はプラタを含む定番の3銘柄をご紹介します。
150年の歴史ある老舗ブランドのエラドゥーラ(HERRADURA)
私がテキーラを飲み始めた2010年前後に大変気に入って、よく自宅や行きつけのバーでボトルキープしていた今まで一番飲んでいるテキーラブランドだと思います。
エラドゥーラの設立は1870年
エラドゥーラですが、とても伝統がある蒸留所で1870年に設立されています。
フェリクス・ロペスという創業者が、仕えていた女性から農園を引き継ぎ、その農園の中に蒸留所を作ったのが始まりだそうです。
エラドゥーラの名前の由来は蹄鉄
アイコンの蹄鉄(読み:ていてつ、家畜の蹄を補強する金具)は、メキシコでは幸運のシンボルとされており、これをスペイン語でエラドゥーラ(herradura)と呼ばれています。
エラドゥーラがブランドネームとなったのは、2代目のアウレリオ・ロペス・ロザレスが農園の中で見つけたそうです。
そのときから農園の名前をカーサ・エラドゥーラと変えたそうです。
メキシコ人に愛される蒸留所
歴史あるテキーラブランドの中でも海外でも人気があるのと同時に、メキシコ国内でも大変人気のある蒸留所です。その証拠に、セカンドブランドのエル・ヒマドール(El Jimador)はメキシコ国内で一番売れている100%アガベ・テキーラとなっております。(2022年1月時点/輸入元アサヒビールウェブページより)
老舗でも先進的な取り組みを行うエラドゥーラ
レポサドとエクストラアネホというクラスを初めて世に出したのはエラドゥーラ
1974年にエラドゥーラがレポサドを出すまで、テキーラにはブランコとアネホしか無かったようです。ブランコだと熟成感が足りない・アネホだと熟成しすぎていると感じるブランドは多く、レポサドというクラスをエラドゥーラが初めて作ったことで、テキーラには欠かせない中間のカテゴリーが今楽しめると言っても過言ではないのではないでしょうか。
また、1995年にエクストラアネホを作り出したのもエラドゥーラだそうです。2006年にはCRT(テキーラ規制委員会)が正式に規制に盛り込み、正式なクラスになりました。
女性が初めて蒸留責任者に就任
男性社会であるとも言われることのあるテキーラ業界です。そのような中、エラドゥーラで1987年から働き始めたマリア(Maria Teresa Lara Lopez)さんは2009年に蒸留責任者(MASTER TEQUILA DISTILLER)に任命され、2017年まで働かれたそうです。
エラドゥーラにおける作り方の特徴
伝統的な作り方が多いエラドゥーラ
メキシコの100%アガベで一番売れているエラドゥーラですが、しっかりと手間のかかる伝統的な製法を多く使っております。
まずアガベの栽培は前述のカーサ・エラドゥーラと呼ばれる自社農園で栽培されます。発酵の際に蒸留所内に生息する酵母を使用するため、農園内では除草剤を使用しないということも特徴の一つです。
また栽培されたアガベを加熱する際は、伝統的なマンポステラと呼ばれるオーブンで加熱されます。多くの大手蒸留所ではアウトクラベと呼ばれる加圧釜で8時間程度で加熱されることが多いですが、エラドゥーラでは26時間程度の時間をかけてゆっくりと加熱されるそうです。
珍しい熟成させるブランコ
通常、多くのブランドでは、ブランコと呼ばれるクラスでは樽で熟成されることはほぼありません。
60日未満の熟成クラスになるブランコですが、そのような中45日間熟成させるのが、エラドゥーラのプラタ(ブランコ)です。
エラドゥーラのラインナップ
エラドゥーラの銘柄別のレビューをする前に、どのような銘柄が日本で買えるかをご紹介してまいります。輸入元のアサヒビールからはプラタ・レポサド・アネホの3銘柄が発売されており、ウルトラというクリスタリーノのアネホが並行輸入で購入できます。
以前は、セレクション スプレーマという最高級品も並行で見かけたのですが、現在は流通していないようです。
銘柄名 | 分類 | 熟成 | 度数 | 値段 | 備考 |
エラドゥーラ プラタ | 100% Agave Tequila | ブランコ(45日) | 40 | ¥2,500 | |
エラドゥーラ レポサド | 100% Agave Tequila | レポサド(11ヶ月) | 40 | ¥5,500 | |
エラドゥーラ アネホ | 100% Agave Tequila | アネホ(24ヶ月) | 40 | ¥6,000 | |
エラドゥーラ ウルトラ アネホ | 100% Agave Tequila | アネホ(クリスタリーノ) | 40 | ¥8,000 | 並行輸入のみ |
銘柄別のレビュー&おすすめの飲み方
今回は日本で普通に買える定番クラスのプラタ・レポサド・アネホの3銘柄をレビュー&おすすめ飲み方をご紹介してまいります。
エラドゥーラ・プラタ
香りを確認してみると、しっかりと加熱されたアガベ、バニラやバターのような印象がありちょっとアイスクリームっぽさ、パイナップルのような南国フルーツ感を感じます。2千円台とは思えない複雑な香りです。
飲んでみるとしっかりとした甘さ、適度な苦さと辛さがあります。45日熟成させていることからか、まろやかな印象です。
飲み方としては、ソーダ割り、カクテルなどでも個性が十分に感じられ、どのような飲み方でも良いと思います。また2千円台のテキーラではあまりストレートで飲むことはおすすめしないのですが、こちらはストレートでも十分に楽しめるコスパ良しなテキーラです!
エラドゥーラ・レポサド
まず香りは、加熱されたアガベ、バニラ、キャラメル、シトラス感などを感じます。
レポサドとしては長い11ヶ月熟成をさせることからか、キャラメル感などが出ている気がします。
飲んでみると甘さと辛さはプラタと変わらず、苦さが少し強く出ている気がします。後味は樽感、土っぽさなどが強く感じます。
ソーダ割りが個人的にはおすすめですが、当然ストレートも良いです!
エラドゥーラ・アネホ
香りを取ってみると、アガベの感じは変わらず、樽感やバニラ感がレポサドよりもしっかりとしてきます。オレンジのようなシトラス感、スモーク感なども感じます。
飲むと甘さ、辛さ、苦さはレポサドと同じような印象です。後味キャラメル、樽、はちみつといった印象が強くなります。
飲み方はロックかストレートが良いと思います。
定性情報
NOM:1119
蒸留所:Brown Forman Tequila Mexico, S. de R.L. de C.V.
(現在のオーナーはジャックダニエルを持っているBrown Forman)
エリア
蒸留所:ハリスコ州バジェス地域(アマティタン村)
アガベ産地:ハリスコ州バジェス地域
加熱方法:マンポステラ
搾汁方法:ローラーミル
加水:湧き水
発酵槽:ステンレスタンク
蒸留回数:2回
蒸留器:ステンレス単式蒸留器
熟成樽:アメリカンホワイトオーク
熟成期間:45日(プラタ)/11ヶ月(レポサド)/25ヶ月(アネホ)
度数:40度
相場:2,500円(プラタ)/5,500円(レポサド)/6,000〜10,000円(アネホ)
※アネホが正規と並行で結構幅があります
おすすめ度:☆☆☆☆+(プラタ)、☆☆☆☆ー(レポサド)、☆☆☆+(アネホ)
(値段も勘案しての評価です。正規輸入での価格での評価としております)
編集後記
買いたい場合は、、、
いかがでしたでしょうか。
個人的には特におすすめなのはプラタです。2,500円でこの味が飲めるのは大変ありがたいと思います。レポサド・アネホも大変美味しいのですが、値段が若干高いので、まずはプラタを試してみてから、他の2銘柄も味わってみてください!!
飲みたくなってみたという方は、ぜひ以下からご購入して見ください。
プラタ
レポサド
アネホ
テキーラをもっと知りたくなかった方用リンク集
テキーラ自体をもっと知って、楽しく飲みたいという方は、以下リンクをご参考にしてください。。
筆者渾身のテキーラ解説動画
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テキーラの基礎知識
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著者情報
- 著者名:テキーラダディ
- 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
- 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
- テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。
Twitterはおすすめ銘柄などを発信
筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!
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