こんにちは、テキーラ愛好家の皆様。本日は、ロックスターから送られるテキーラの新たな提案、Calirosaについてご紹介&レビューしてまいります。このブランドは世に溢れる凡庸なセレブ・ブランドなのか、もしくは飲むに値するテキーラなのかご紹介してまいります。
Calirosaテキーラとは?
Calirosa(カリロサ)は、アメリカの人気バンドMaroon 5のフロントマンであるアダム・レヴィーンと、彼の妻であるスーパーモデル、ベハティ・プリンスルーが共同で立ち上げたテキーラブランドです。一部のテキーラ好きには知られていますが、アダム・レヴィーンは以前からテキーラやメスカルなどのアガベスピリッツに関心があり、Santoというテキーラとメスカルを混ぜた製品も共同で作っていました。このブランドはヴァン・ヘイレンの元ヴォーカル、サミー・ヘイガー(カボワボというテキーラブランドのオーナー)と作っていました。(現在はプロジェクトから名前は外れています)
今回は夫妻でブランドを作ったということで、男性的な見た目のSantoに比べて、女性にも受けるような見た目だと感じられます。テーマはカリフォルニア文化とメキシコ文化の融合ということで、おそらく名前の由来はカリフォルニア(California)とロサ(Rosa:スペイン語でピンク)を組み合わせた造語でCalirosaとしているようです。
Calirosa(カリロサ)の製造方法
作っている蒸留所
Tequila Selecto de Amatitanという蒸留所でCalirosaはつくられています。この蒸留所は自社ブランドも作りつつ、委託製造を手広くやっている蒸留所のようです。自社ブランドも委託製造ブランドも日本に入ってきているブランドはCalirosaの他には無さそうで、TMM(Tequila Match Makerというレビューサイト)を見る限りそこそこの評価の蒸留所といった様子です。レビュー評価がついている118蒸留所のうち、63位というちょうど真ん中くらいです(蒸留所で作っている各銘柄のレビュー評価平均から算出)
場所はアマティタンという街にあり、この街で有名なテキーラ蒸留所としてはエラドゥーラという銘柄を作る蒸留所が最も有名です。アマティタンはテキーラ村の近くにあります。ハリスコ州の中でもバジェス地方と呼ばれるエリアの中にあり、比較的蒸留所が多い場所になります。バジェス地方で作られるテキーラは、どちらかというとストレートな甘さが特徴と言われます。(作り方にもよりますが)
Calirosa(カリロサ)の具体的な作り方
Calirosaの作り方はブランドサイト(米国・日本ともに)では、あまり詳細な記述がないため、TMMの記述を基に記載します。(TMMも製法に関しては誤っていることもあります)
Calirosaは熟成方法以外は結構一般的な作り方をしております。原材料は100%アガベを使用、アガベの加熱にはアウトクラベというステンレス製の圧力釜を使用、搾汁はローラーミル、発酵はステンレス製タンク、蒸留は単式蒸留器で二回。まさに可もなく不可もないテキーラの作り方をしている次第です。
あまりテキーラに馴染みのない方にご紹介すると、テキーラの原料は低GIの糖分として人気のアガベという植物を利用しております。このアガベという植物を加熱、加熱すると甘くなるのでそこに酵母を加えて発酵、発酵後に蒸留しアルコール濃度を高めて作ります。
特徴的なのは樽熟成をすべて赤ワイン樽でしているところです。赤ワイン樽で熟成しているテキーラとしては日本で有名なブランドだとAHA TORO(アハトロ)というブランドからDIVAという銘柄が有名です。
AHA TORO DIVAは特段どこのワイン樽を使用しているか明かしていませんが、Calirosaはカリフォルニアワインで使われた樽で熟成されています。またAHA TOROは2ヶ月程度の熟成と言っておりますが、Calirosaは一ヶ月の樽熟成と言っております。
Calirosa(カリロサ)のラインナップ
カリロサはアメリカでは日本で売っているブランコとアネホ以外にレポサドとエクストラアネホ(2種類)を売っております。日本での人気次第で今後もラインナップが増える可能性はあります。
銘柄名 | クラス | 度数 | 値段 | 備考 |
カリロサ・ロサブランコ | ブランコ | 40 | ¥7,000 | |
カリロサ・アネホ | アネホ | 40 | ¥9,000 | |
カリロサ・レポサド | レポサド | 40 | 60US$ | 日本未発売 |
カリロサ・エクストラアネホ | エクストラアネホ | 40 | 200US$ | 日本未発売 |
カリロサ・エクストラアネホ(5年熟成) | エクストラアネホ | 40 | 300US$ | 日本未発売 |
味わいのレビュー
今回はまずブランコのみをレビューしております。ぜひ忖度なしの評価にご注目ください。
ブランコ
- レビュー
- 香り:オレンジなどの柑橘、ホワイトペッパー、若干青っぽいアガベ、うっすらベリー系の香り
アガベの香りよりも印象としてはオレンジ系の柑橘が強いです。
- 味わい:ストレートな甘さ、辛味はそこそこ、苦味はあまり感じません
飲み込まずに舌だけで味を取ると、独特な甘さを感じます。若干加糖しているのではないかと感じました。 - アフターノート:シトラス、イチゴのようなベリー系の香り
飲む前には弱かったベリー系の香りがアフターノートではしっかりと感じます。
- 香り:オレンジなどの柑橘、ホワイトペッパー、若干青っぽいアガベ、うっすらベリー系の香り
- おすすめの飲み方
◎ストレート、○ロック、ソーダ割り。ストレートが一番赤ワイン樽感が感じられるが意外とソーダやロックでもヘタらない香りを持っている。
- Tequila Daddy’s Point:☆☆☆☆−
正直、あまり期待していなかったのですが、結構面白い味わいだなと思いました。正直テキーラの味わいとしてすごいハイレベルかと言われれば、テキーラマニアとしてはそこまででも無いです。ただ前述したAha Toroよりも、ワインニュアンスがしっかりと感じられたと思います。また値段もセレブブランドとしては日本のインポーターの努力もあるかとは思いますが、安くもないですが、、、高すぎないと思います。(円安下で今後上がるかもしれませんが)
編集後記
正直、セレブブランドとしてあまり期待していなかったCalirosaですが、個人的には面白い銘柄だと思いました。レヴィーンファンの方でこの記事を見ていただいた方は、ぜひ一度買ってみていただくことをおすすめします!
またテキーラに少しでも興味を持っていただいた方は、ぜひ私の様々なコンテツを御覧ください。テキーラは罰ゲームというイメージが強いかもしれませんが、もっと奥深いゆっくりと飲むセレブのお酒とも称されるというのがご理解いただけるかと思います。
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著者情報
- 著者名:テキーラダディ
- 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
- 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
- テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。
Twitterはおすすめ銘柄などを発信
筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!
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