本日は雄鶏マークが印象的なルースター・ロホのご紹介をしてまいります。
ルースター・ロホは安め・美味しいがキーワードですが、他にもアガベ産地で面白い取り組みをしていたりするので、ぜひご覧になってください。
雄鶏マークが印象的なルースター・ロホ
名前の由来は?
ルースター(Rooster)とはスペイン語(英語でも)で雄鶏(オスの鶏)のことを言います。
またロホ(Rojo)とは赤という意味です。
つまり、このラベルに描かれた赤い雄鶏のことを指しています。
KAHと同じAmber Beverage Groupが傘下の蒸留所で製造
ルクセンブルクに本社を置くアルコールメーカーのAmber Beverage Group(ABG)がRooster Rojoの製造元になります。テキーラではFabrica de Tequilas Finosという蒸留所を所有しており、同蒸留所はKAH(カー)という髑髏(ドクロ)のボトルで有名なブランドを製造しており、KahもABGの所有ブランドとなっております。
ABGの創業が2014年、蒸留所の買収が2016年、ルースター・ロホは2017年にニューヨークで販売開始ということで、比較的新しい取り組みのようです。
※ABGは前身は1900年ぐらいからあったようです。
ルースター・ロホの作り方特徴
アガベ産地を二箇所採用
テキーラの原料であるアガベは、ハリスコ州の中ではテキーラ村があるバジェス地方とテキーラ村より高地にあるロス アルトス地方が主な産地になります。バジェス地方の方がアガベは小さく、ロス アルトス地方の方が肥沃でアガベが大きく濃密な甘さになります。
ただし、どちらも個性があり、一概にどちらが良いというのは好みがテキーラ愛好家の中でも分かれます。
多くのテキーラブランドでは自社の近くのエリアのアガベを使うことが多いですが、ルースター・ロホでは両方のエリアのアガベを使っているそうです。
加熱〜蒸留
収穫したアガベは半分か四等分にされ、加熱されるそうです。加熱方法はアウトクラベという圧力釜を使用するそうですが、8時間程度加熱するというブランドが多いですが、海外向けブランドサイトによると10時間かけるとにあり、若干長めです。
酵母は独自の酵母で72時間、蒸留器は以下の写真にあるステンレス製の蒸留器を使用しているようです。
加水はメキシコ産銀製フィルターを使用
珍しいこだわり方をしているのは、加水する水です。
蒸留されたテキーラは度数が高いため、加水することが一般的ですが、ルースター・ロホではこの加水する水をメキシコで作られた銀のフィルターで濾過してから使用するそうです。銀フィルターを使用することで、優しく・スムースになるそうです。
どこまで味わいに変化があるか検証はできないですが、テキーラで初の試みらしく、面白いですね。
樽はレポサド・アネホで異なるものを使用
多くのブランドでは通常ラインのレポサド、アネホでは同じ樽を使用することが一般的ですが、ルースター・ロホではレポサドとアネホで違う種類の樽を使用しております。
レポサドでは大きなフレンチオークの樽で2ヶ月以上、アネホではバーボンで使用されていたアメリカンホワイトオークの200リットルサイズの樽を使用するそうです。
※製造過程はRoosterRojoの英語版サイトより
ラインナップ
ルースター・ロホの正規流通品
ルースター・ロホは正規輸入をリードオフジャパンがになっており、並行輸入品はおそらく流通していないようです。リードオフジャパンが扱っているのは以下の3銘柄となります。
アネホで4,000円を下回るブランドはなかなかないので、だいぶお手頃価格と言えるのではないでしょうか。
銘柄名 | 分類 | 熟成 | 度数 | 値段 |
ルースター・ロホ ブランコ | 100% Agave Tequila | ブランコ | 40 | ¥3,000 |
ルースター・ロホ レポサド | 100% Agave Tequila | レポサド(2ヶ月以上) | 40 | ¥3,500 |
ルースター・ロホ アネホ | 100% Agave Tequila | アネホ(12ヶ月以上) | 40 | ¥3,800 |
ルースター・ロホの日本未輸入品
ルースター・ロホは上記の3銘柄意外に日本に入ってきていない1品があります。
それはスモークドパイナップルです。燻製したパイナップルをインフュージョンしたアネホだそうです。テキーラは1%までしか水以外の添加物を使用できないため、1%以下に抑えているのか、テキーラを使用したリキュールとして扱いではなく、おそらくテキーラリキュールとして販売されているのではないかなと思います。
ルースター・ロホの味の特徴・おすすめの飲み方
ルースター・ロホ ブランコ
香り:レモンのような香り、野菜っぽさ、若々しい甘さ
フレッシュな味わいで、しっかりと主張のある香り
味わい:はっきりとした甘さに、しっかりとしたスパイシーさ
スパイシーさがしっかりとしているので、好みは分かれると思うが、個人的には好き
アフターノート:甘いアガベの香りがあるが、さっと引く
おすすめ度:☆☆☆+
おすすめの飲み方:ソーダ割り、スパイシーさが長所になるようなカクテル(パロマ、ストローハットなど)
ソーダ割りにすると、幅広い料理にマッチします。
ルースター・ロホ レポサド
香り:蜂蜜の甘さ、バナナや洋梨の甘さ、バニラやナツメグなどの甘い系のスパイス
個人的にはレポサドの香りが一番好きである。フレンチオークの香りが作用しているのかと思う。
味わい:甘さがしっかりとでて、辛さもブランコよりは落ち着いている気がするが一定程度ある
アフターノート:甘い系の香辛料を感じる
おすすめ度:☆☆☆☆-
私はルースター・ロホの中ではレポサドが最も好みである。香りが3千円台で買える銘柄の中では特に心地がよい。辛さは好みが分かれるが、飲み方次第で心地の良いものになると思う。
おすすめの飲み方:ロック、炭酸割り、(ストレート)
辛さをどう感じるか次第だが、炭酸割りやロックなどで飲むか、スパイシーな味わいが好きならストレートもおすすめ
ルースター・ロホ アネホ
香り:香ばしい甘さ、バニラ感、チョコレート
レポサドよりも甘さが強く主張する香りで、樽感をしっかりと感じたい方にはぴったりです。
味わい:甘さがしっかりと、辛さは他の2銘柄よりも感じにくく、ちょうどよいと思う
アフターノート:キャラメルやバニラが長く感じる
おすすめ度:☆☆☆☆ー
アネホの中では大変安い部類の4千円台で買えることを考えると、カジュアルにアネホを楽しみたい方にはぴったりだと思う。
おすすめの飲み方:ストレート、ロック
定性情報
NOM:1472
蒸留所:Fabrica de Tequilas Finos, S.A. de C.V.
エリア
蒸留所:ハリスコ州バジェス地方
アガベ産地:ハリスコ州ロスアルトスとバジェス地方
加熱方法:アウトクラベ(圧力釜)
搾汁方法:ローラーミル
加水:不明
発酵槽:ステンレス製発酵槽
蒸留回数:2回
蒸留器:スチール製単式蒸留機
熟成樽:レポサド_フレンチオーク、アネホ_バーボン中古樽
熟成期間:レポサド_2ヶ月、アネホ_1年
度数:40度
相場:ブランコ3,000円、レポサド3,500円、アネホ4,000円
(上記はTequila match makerと製造元HPなどを参考にして作成)
編集後記
今回はルースター・ロホを紹介しましたが、値段の割に大変美味しいおすすめ銘柄です。
他にもおすすめテキーラや、テキーラの基礎知識〜詳細な情報まで色々と当サイトでは紹介しておりますので、以下から是非ご覧になってみてください。
テキーラをもっと知りたくなかった方用リンク集
テキーラ自体をもっと知って、楽しく飲みたいという方は、以下リンクをご参考にしてください。。
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著者情報
- 著者名:テキーラダディ
- 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
- 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
- テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。
Twitterはおすすめ銘柄などを発信
筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!
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