本日は無骨なブランド、エルフォゴネロ(El Fogonero)についてご紹介します。
エルフォゴネロとはどういうブランド
比較的テキーラの中でも日本でもメキシカンレストランなんかでも取り扱いの多いエルフォゴネロですが、日本語での紹介サイトなどもないため、あまりどのようなブランドか知られていません。ブランドの成り立ちも含めご紹介します。
エルフォゴネロの意味
エルフォゴネロ(El fogonero)とは火夫という意味です。火夫とは蒸気機関車等のボイラーに燃料を投下するなど、火を操る仕事です。このブランドにおいては、アガベの加熱を行う人のことです。
蒸留所の成り立ち:祖父への尊敬を込めて
エルフォゴネロ(El Fogonero)の歴史は、Don Antonio Yera氏が老舗の蒸留所エラドゥーラ(Herradura)で働き始めた1920年代半ばに遡ります。彼は16歳の若さでエラドゥーラで50年間、アガヴェの加熱を担当する’fogonero’として勤務しました。その間に彼はテキーラ製造について多くを学び、その技術を絶えず磨き上げてきました。
彼が1970年代に退職した後も、彼はアガヴェ畑での仕事を続け、彼が学んだことを孫たち、Jesus、Rigoberto、そしてAntonioに伝えたそうです。そして1997年、3人の孫は会社を設立し、祖父への敬意を込めてテキーラを「EL FOGONERO」と名付けました。この蒸留所は、ハリスコ州の低地、Amatitan(アマティタン)に位置しています。祖父が働いたエラドゥーラがAmatitanにあったことは偶然ではないと思います。
エル フォゴネロの作られ方
自社サイト、インポーターのサイトだけだと作り方が十分に理解できなかったため、TMMと自社サイト両方を参考にまとめております。(TMMも誤っていることがあることをご承知おきください)
全体感としては、ベーシックな作り方で、特筆すべき作り方はしていません。
- アガベの糖化:アウトクラベ(高圧)
- 原料のアガベを糖化(甘く)させる工程。アウトクラベを高圧でやると、伝統的なマンポステリアと呼ばれるものに比べて、短時間で処理できるが、香ばしさが弱い/青っぽさが強くなると言われている。
- 搾汁:ローラーミル
- 発酵:ステンレス製発酵槽
- 蒸留:ステンレス製蒸留器で2回
エル・フォゴネロのラインナップ
エルフォゴネロは日本ではDe Agaveというインポーターが輸入しております。エクストラアネホの9年以外は日本には輸入されております。
銘柄名 | 分類 | 熟成 | 度数 | 値段 | 備考 |
El Fogonero ブランコ | 100% Agave Tequila | ブランコ | 40 | ¥5,000 | |
El Fogonero レポサド | 100% Agave Tequila | レポサド | 40 | ¥5,400 | |
El Fogonero アネホ | 100% Agave Tequila | アネホ | 40 | ¥8,000 | |
El Fogonero エクストラアネホ | 100% Agave Tequila | エクストラアネホ (4年) | 40 | ¥17,000 | |
El Fogonero エクストラアネホ・レゼルヴァ | 100% Agave Tequila | エクストラアネホ (9年) | 40 | – | 日本未発売 |
エルフォゴネロの味わいレビュー
前述の通り、ブランコ〜エクストラアネホまでありますが、今回はブランコのみをまずレビューします。
ブランコ
- 味わい
- 香り:シトラス、加熱されたアガベ、うっすらバナナっぽい、ベジー、若干独特な癖がある
- 味:結構甘いと同時にそこそこ辛い、苦味は少ない
- アフターノート:シトラス、アガベの香りが残る
- おすすめの飲み方
◎ソーダ割り、○ストレート、△ロック - Tequila Daddy’s Point:☆☆☆☆−
結構甘く、シトラス感が良い。ただ若干独特な癖のある香りがあり、そこでマイナス評価です。
いかがでしょうか。エルフォゴネロは、Don Antonio Yera氏の夢が現実になった一つの形です。そして、その夢は現在も、孫たちによって続いております。ぜひ以下より買ってみてください。
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この記事以外にもテキーラの奥深い世界を解説しております。ぜひご覧になってみてください。
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著者情報
- 著者名:テキーラダディ
- 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
- 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
- テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。
Twitterはおすすめ銘柄などを発信
筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!
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