サミー・ヘイガーがテキーラを作るまで
「Cabo Wabo Tequila」(カボ・ワボ・テキーラ)は、ヴァン・ヘイレンというロックバンドのレジェンドSammy Hagar(サミー・ヘイガー)によって作られました。1985年にヴァン・ヘイレンというバンドにジョインした彼が、どのような流れでテキーラを作るまでに至ったのかを紹介してまいります。
レストランCabo Wabo Cantinaの起源
1970年代にできたヴァン・ヘイレンはメンバーの脱退などから、1985年に今回の主人公であるサミー・ヘイガーを迎えます。サミー・ヘイガーが加入した翌年にはアルバムが全米No.1になるなど、成功を収めます。
1990年にサミー・ヘイガーは自信が気に入ったメキシコのババカルフォリニアの近郊の漁港、Cabo San Lucasに「Cabo Wabo Cantina」を開きます。ここは、当初から大きな好奇心を集めました。一度、経営が傾いたり氏たこともあったそうですが、バハ・カリフォルニアの先端にあるこの町が徐々に著名な休暇地に成長すると、お店の売上も上がっていきます。
カボ・ワボ テキーラ製造にいたる
レストランが徐々に軌道に乗ってきて、店舗でオリジナルテキーラを提供するようになりました。このテキーラを一般販売を1996年に始めたのが、現在のCabo Waboです。現在はジョージ・クルーニーやマイケル・ジョーダンなどもテキーラ製造に乗り出して来ておりますが、アメリカのセレブとしては彼がハシリと言えるでしょう。
現在のCaboWaboのオーナー
テキーラの需要が徐々に増加するにつれ、世界中の酒造メーカーがテキーラブランドを手中に収めるようになります。CaboWaboもご多分に漏れず、2008年と2010年に分けてカンパリグループが株を購入していきます。2回に分けて購入された金額は9千万ドルを超えるようです。日本円にして100億円以上をサミー・ヘイガーは手にしたのです。
テキーラ製造の特徴
製造している蒸留所
CaboWaboは蒸留所を何度か変更しております。TequilaMatchMakerで確認できただけでも現在で3つ目の蒸留所となります。共通しているのはハリスコ州の中でもロスアルトスと呼ばれるエリアです。ロスアルトスは高地で、気温が寒く、鉄分が多い赤土で知られており、原料のアガベが濃厚に育つと言われております。
現在は、カンパリグループが所有している蒸留所で、エスポロンなどと同じ蒸留所となります。
製造方法
公式サイトとTequilaMatchMakerの解説を見ると、作り方はエスポロンと大変似ております。特徴的な部分は2つあって、1つ目が加熱の方法です。アウトクラベ(Autoclave)という圧力釜で原料のアガベを加熱します。このときに多くのブランドでは高圧で加熱しますが、CaboWaboでは低圧で加熱するそうです。低圧で加熱するとじっくりとアガベが加熱されることで香ばしい味わいになります。
次に蒸留の方法です。工業的な作り方をするブランドでは連続式蒸留機を使いますが、伝統的な蒸留所では単式蒸留機を使います。連続式蒸留機は効率的である一方、単式蒸留機のほうが香りが残ると言われます。CaboWaboではこの2つの蒸留器を組み合わせて使用するそうです。
CaboWaboのラインナップ
ブランコ・レポサド・アネホの三銘柄が以前は正規で入っておりましたが、現在はブランコのみが並行(?)で販売されているようです。
銘柄名 | 分類 | 熟成 | 度数 | 値段 | 備考 |
CaboWabo ブランコ | 100% Agave Tequila | ブランコ | 40 | ¥4,000 | |
CaboWabo レポサド | 100% Agave Tequila | レポサド(4ヶ月以上) | 40 | ¥4,400 | |
CaboWabo アネホ | 100% Agave Tequila | アネホ(12ヶ月以上) | 40 | ¥6,600 | 正規輸入は中止している様子 |
CaboWaboの味わい
今回はレポサドとアネホが欠品で入手できなかったため、ブランコのみをレビューします。
ブランコ
香り:加熱されたアガベ、爽やかな柑橘、バニラ、アルコール感が結構つよい、バター
味わい:甘さとスパイシーははっきりある、苦さは薄め
アフターノート:心地よいアガベの香りが鼻に抜ける
おすすめ度:☆☆☆+
4千円では悪くないが、強くおすすめするほどではない。年配のロック好きに手土産で送るには良いかもしれない。飲み方を選ばない、何でも使えそうで万能。
おすすめの飲み方:ソーダ割りに最適。ストレートでも耐えられる。
編集後記
気になった方はぜひ以下リンクから購入してください。
またテキーラ自体に興味を持たれた方はぜひ私のテキーラ解説Youtube・記事などを御覧ください。
筆者渾身のテキーラ解説動画
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テキーラの基礎知識
テキーラの一歩進んだ知識
著者情報
- 著者名:テキーラダディ
- 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
- 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
- テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。
Twitterはおすすめ銘柄などを発信
筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!
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