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テキーラのブランコ・プラタ・シルバーって何?おすすめ銘柄も紹介!

テキーラブランコ テキーラ知識

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以前の記事で書いておりますが、テキーラは原料でカテゴリー分け(アガベアスル100%テキーラか糖蜜を使ったいわゆるミクスト・テキーラか)を解説しました。同じく、熟成でも熟成期間でクラス分けがされますが、その中でもブランコ(シルバー/プラタとも)と呼ばれるクラスについて解説してまいります。

ブランコの定義

テキーラの熟成別クラスと定義

テキーラは熟成度合いでクラス分けされており、以下表の5つとなります。

クラス名熟成期間樽容量
ブランコ(Blanco)/プラタ(Plata)/シルバー(Silver)2ヶ月未満
ホーベン(Joven)/オロ(Oro)ブランコにレポサド以上をブレンド、もしくはブランコに着色したもの
レポサド(Reposado)2ヶ月以上特になし
アネホ(Añejo)1年以上600リットル以下
エクストラアネホ(Extra Añejo)3年以上600リットル以下

ブランコは上記の表の通り樽熟成をしないか、もしくは二ヶ月未満の熟成したものがブランコとなります。テキーラの中でも樽熟成が最もになります。

色は規定(NOM)にも透明な製品ではあるものの無色でなくても良いことが記されております。(Transparent product not necessary colorless/出典:CRTサイト内英語版NOMより)

ブランコは樽での熟成期間が2ヶ月未満となっております。そのため一般的には一切熟成していないのではと思われがちですが、樽熟成していても2ヶ月未満であればブランコと呼称することができます。
有名な銘柄だとエラドゥーラというブランドでは45日間プラタでも熟成しております。この銘柄は若干樽由来の色がついております。

ブランコ・シルバー・プラタの違い

今回、ブランコ/シルバー/プラタを紹介しますが、この3つの名称についてまずは説明します。
といいつつ、結論として名称が違くても、要件は異なりません。それぞれの意味としては、ブランコは「白」という意味、プラタとシルバーは「銀」という意味になります。

もっとも呼称として多く使用されているのはブランコです。次にシルバーは、外国向けの名称になります。スペイン語がわからない人にも通じるようにシルバーという呼称ができたようです。日本で発売されている銘柄でも比較的昔から売られている銘柄でシルバーは使われており、クエルボ(エスペシャル/トラディショナル)やパトロン、サウザなどがこの呼称で販売しています。

プラタは比較的こだわって作っているケースで使用されることが多いようです。例えばカスカウィンというブランドでは、通常ラインはブランコという呼称で発売し、高度数(48℃)で高価格、製法に手が込んでいるものをプラタという呼称で販売しています。またプラタのみの銘柄も当然あり、高級なもので言うと、クラセアスールという銘柄はブランコはなく、プラタが1万5千円ぐらいとなります。さらにエラドゥーラなんかもブランコがなく、プラタのみですが、値段は2千5百円くらいとなり、一概にプラタだから高級というわけではありません。

プラタという音から、初めは「銀」という意味ではなく「プラチナ」かと私は思っておりました。ただ調べてみると「プラチナ」は「Platino(プラティノ)」で、「銀」が「Plata(プラタ)」です。

ブランコの熟成?

ブランコは前述の通りテキーラでも最も熟成をしていないクラスです。そのブランコが熟成というと、2つのパターンがあります。

ブランコでも樽熟成

1つ目は他の熟成クラスと同様に樽熟成するものです。ただしブランコは2ヶ月未満に抑える必要があります。そのような中で熟成は意味あるのでしょうか?それが意外とあると筆者は考えております。一つは樽で寝かせることで、味が落ち着くこと、また樽感ははっきりとではないですが2ヶ月未満でも感じることができられます。

日本でこの製法を使っている銘柄といえばエラドゥーラのプラタですが、イカの写真の通り白背景に対して色がしっかりついている事がわかります。(光の加減で、だいぶ普段より色が濃い気はします)また味わいとしても、樽感が主張するというほどではないですが、感じられると思います。

ステンレスタンクで寝かせる

2つ目はステンレスタンクなどのオーク樽以外のもので寝かせます。樽のように樽由来の成分が溶け出さないため、ステンレスタンクは一般的に熟成を進めないと考えらる方もいますが、個人的には意味があるものだと思います。
以下の記事であるとおり、専門家においても蒸留酒は酸素にさらされることで、成分に変化があり、大変美味しいものになると認識されております。

Why Are Some Spirits Rested in Stainless Steel? - Drinkhacker
In our recent review of Charbay's Double Aged Rum, reader Taylor Fox inquired as to the point of the first round of that double aging. The rum spends five %

オーク樽等で熟成した場合には酸素との結合でまろやかになるのと同時に、木の成分が出て、一つの個性にはなりますが、同時にテキーラの原料であるアガベの個性などを感じづらくなります。そのため、ブランコではステンレスタンクで空気に緩やかになじませることで飲みやすくするブランドが多くなるのです。

ブランコ・プラタ・シルバーの魅力

ブランコの定義・作り方をお伝えしてまいりましたが、ではテキーラのブランコの 魅力は何でしょうか?一部の蒸留酒愛好家においては、樽で長期熟成したアネホ・エクストラアネホのほうが美味しく、価値があると思われがちです。事実、ウィスキーであれば一般的には長期熟成した銘柄のほうが高級で人気が高いです。(当然、ウィスキーにも同様に低熟成を好む方もいらっしゃいます)

一方、テキーラはマニアにはどちらかというとブランコの人気が高いです。ではその魅力とはなにか、迫っていきたいと思います。

テキーラ本来の味わいを満喫できる

テキーラの特徴とは何でしょうか。やはり最大の魅力はアガベという複数年かけて育てられた植物を用いることだと、筆者は考えます。またその加工工程は、加熱方法や糖分の抽出方法など様々な作り手の工夫があり、味わいに差異が生まれます。この違いこそが最大の特徴であり、テキーラマニアが生まれる背景であると思います。

また酵母を独自のアガベ由来のものを使用したり、一家相伝の特殊なものを使用する、またシャンパーニュ由来のものを使用するなど、多種多様な酵母により、味わいにも差異が生まれます。このような差異もまたテキーラの楽しみの一つです。

葉を落とされたアガヴェ

レポサド以上のテキーラもそれをベースとして、各蒸留所が自社のテキーラにあった樽香をつけていますが、やはり本来のテキーラの味わいは多少影に隠れてしまうと思います。この樽由来の味わいをある意味排除して楽しめるのがブランコの最大の魅力だと思います。最終的には好みになりますが、このテキーラ本来の味わいが最も楽しめるブランコがテキーラマニアの中では比較的人気が高い理由だと思います。

ストレート以外で楽しめる、料理に合わせやすい

私は食中酒としてテキーラをよく楽しむのですが、テキーラを食中酒として楽しむ際は、ブランコが最も合うと思います。多少甘まさがある食事の場合、バニラ要素の少ないレポサドもぴったりですが、最も万能な食中酒はブランコだと考えております。

例えば刺し身と合わせるなら濃厚な甘さのロスアルトス地方の銘柄をロックで合わせることもありますし、スパイシーな料理と一緒に楽しむのであればバジェス地方のソーダ割りで楽しみます。当然タコスにはブランコのソーダ割りが最高です。

おすすめのブランコ・プラタ・シルバー

たっぷりとブランコについてご説明してまいりましたが、ここからはその中でもおすすめの銘柄を紹介してまいります。価格帯別でおすすめを作っておりますのでぜひお好みの銘柄を見つけてください。
(価格は2022年10月現在の主要通販サイトのものを参考)

3,000円以下でおすすめのブランコ3選

ブランコのテキーラだと比較的コスパが良いと言われる価格帯の3千円以下の銘柄。その中でもただ安いだけでなく、しっかりとブランコらしさを楽しめる銘柄をおすすめしてまいります。

カスコヴィエホ・ブランコ

カスコヴィエホは大変コスパに優れた銘柄となっております。おおよそ750mlで2千円を切る価格ですが、とてもこの値段で飲めるとは思えない銘柄です。ソーダ割りにするとスイスイ飲めちゃうし、筆者が最も家で飲んでいる銘柄と言っても過言ではありません。

最近は1L で2,500円程度のものも流通しているようで購入時はサイズを確認しましょう。

エラドゥーラ・プラタ

前述の通り、45日程度樽熟成させることで有名なエラドゥーラです。コスパがよいだけでなく、甘さと苦さのバランスが大変良く美味しいです。個人的には人生で最も飲んでいる銘柄だと思います。

オルメカ・アルトス・プラタ

オルメカはミクストテキーラと呼ばれるアガベを100%使用していないタイプの銘柄で、比較的日本でも人気があります。そのオルメカが有名バーテンダーと組んで作ったのがオルメカ・アルトスです。2千円後半で買える銘柄の中では大変おすすめの銘柄となります。
味のバランスがよく、ストレートやソーダ割りも良いですが、カクテルでも味が腰折れせずにしっかりと主張してきます。

6,000円以下でおすすめのブランコ3選

3〜6,000円は最も競争が激しく、大変美味しい銘柄が多いです。

カスカウィン・ブランコ

日本人テキレロの景田さんが働いていることでも有名なカスカウィン。ただ日本での人気が高いだけでなく、テキーラ大国アメリカのテキーラマニアからも現在は愛されております。独特な香りとアガベ由来の味わいがマッチして、大変美味しいおすすめの銘柄です。

グラン・オレンダイン・ブランコ

テキーラ御三家とも言われる有名テキーラブランドの上級ラインのグラン・オレンダイン。テキーラでは珍しい三回蒸留のブランドですが、味わいはしっかりとしており、自家農園で栽培したアガベをしっかりと生かしております。ボトルデザインも含め、個人的に推しブランドの一つです。

タパティオ ブランコ

エルテソロやオチョという人気ブランドのメキシコ国内向けのブランドとして有名なタパティオです。お値段は大変お安い割に、味わいはしっかりとしている大変おすすめのブランドです。大手通販(楽天・アマゾン)だと買えないことが多いのが難点です。

上記リンクで購入できない場合はテキーラムーチョさんだと購入できる場合が多いです。

その他のおすすめ

今回各価格帯3銘柄ずつ選ぼうと思っていたので、この価格帯は大変競争が激しく記載しなかったおすすめ銘柄を以下記載します。

Calle23ブランコ

ドンナチョブランコ

オチョブランコ

6,000円から1万円でおすすめのブランコ3選

カスカウィン プラタ

先程紹介したカスカウィンの中でも少量生産のハイプルーフ(高アルコール・加水が少ない)プラタ。発酵時にアガベの絞りカスであるバガスを発酵液量の50%分、一緒に加え発酵させ、また減圧蒸留で蒸留のスピードを通常より遅くさせています。カスカウィンブランコの特徴はありつつ、パワフルさと香りの複雑性がましています。一万円切る値段でコレが買えるのは驚きです。。

フォルタレサ ブランコ

フォルタレサは日本でも有名なサウザというテキーラブランドを創ったサウザ家の5代目のブランド。一家としては3代目の時代にサウザブランドを売却したものの、やはりテキーラを作りたいという強い思いから、美術館にしていた古い蒸留所を再度稼働させ、作り出したブランドです。

ドンフラノ・ブランコ

もともとはテキーラの原料であるアガベを栽培していた農家が、アガベ高騰の時代に大手テキーラメーカーから圧力をかけられ、一念発起して創ったブランド。独特で濃厚な香りがあって大変楽しめるブランドの一つです。あまり売っている店舗が多くないのが唯一の難点です。

1万円以上でおすすめのブランコ3選

Calle23 クリオージョ

フランス人のソフィーさんが作るCalle23は大変テキーラマニアに好まれるブランドです。ただその中でもクリオージョは大変人気が高く、クリオージョと呼ばれる年数が経っても大きくならななかったアガベのみを使用して作られた銘柄。通常は見向きもされず、他のアガベと一緒にテキーラにされるところ、それだけを使用したという大変貴重な一品。今までに一度しか作られず、在庫に限りがあるため、持っていない人は急いで買いましょう!(私はすでに複数購入済み)

フォルタレサ スティルストレングス

先程も紹介したフォルタレッサですが、その蒸留後に加水していないのが、スティルストレングス(そのままの強さ)。フォルタレッサ自体、蒸留器が古いものを使用しているため、他のブランドと同様に蒸留しても46度くらいにしかならず(通常は50度以上)、その分多くの香りや味の成分がテキーラには残っております。当然、味わいは大変濃く、たいへん楽しめる銘柄です。

現在は日本の在庫が枯渇しているようですが、見かけたらぜひ購入してみてください。

番外編_LALO.

この銘柄は日本未輸入のため、アメリカであれば$50くらいで購入できますが、輸入費用も含め1万円以上の銘柄にしております。有名なテキーラのドン・フリオの創業者(ドン・フリオさん)のお孫さんであるLaloさんが最近始めたブランド。個人的には現在最も好きなブランドです。

ぜひ、以下の記事を見て、海外から輸入してみてはいかがでしょうか。

いかがでしたでしょうか?テキーラについてもっと知りたくなったら以下の筆者オススメの記事を読んで、ぜひテキーラの魅力にさらにハマってください。

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著者情報

  • 著者名:テキーラダディ
  • 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
  • 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
  • テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。

Twitterはおすすめ銘柄などを発信

筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!

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