パトロンの免税限定品であるLOT221が2022年4月現在、何故か日本国内で並行輸入しているので、こちらの商品についてレビューしてまいります。
パトロンの免税限定品が何故か日本で流通
パトロン概略
パトロンといえば、テキーラ愛好家で知らない人はいない有名ブランドです。
ディジョリア氏というもともとヘアケア用品の販売などをしていた事業家が、100%アガベのテキーラが今ほどアメリカで流通していなかった時代に、パトロンというブランドを持ち込み、プレミアムテキーラというカテゴリーをある意味作り上げて、現在ではトップ3に入るレベルのブランドです。
詳細は以下の私の記事を御覧ください。
免税限定商品とは
免税限定商品とは名前の通り、免税店でしか購入できない商品となります。免税限定商品には2種類あり、①ラベルだけ変更するパターンと②中身も変更するパターンです。
①は外国人が好みそうな外観(以下のような日本だとウィスキーの和柄ラベルなど)が該当します。
一方、今回のパトロンLOT221は中身まで一般流通品とは異なったものを使用しております。免税限定品は一般で購入できてしまうと、わざわざ免税店で購入しなくなってしまうため、一般市場に流通することは一般的ではありません。
なぜ免税限定商品であるPatron Lot221が日本国内で?
今回のパトロンLOT221はTRBusinessの記事を確認する限り、2018年末に発売の発表がされております。その約1年後にはご存じのとおり世界的なコロナ禍に突入し、海外旅行需要が激減、ひいては免税市場はほぼ機能していなかったことが推察されます。
そのような状況から推察するに、免税市場用に製造した本商品は発売後1年ほどで需要が激減、流通できなくなってしまったことから、製造元か免税店運営企業が日本の並行輸入業者に販売し、日本国内で流通したのではないかと思われます。
パトロン LOT 221とパトロン アネホの違い
パトロンのLOT221はクラスでいうとアネホになります。同じアネホは通常ラインでもアネホでもありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
パトロンLOT221の作り方
LOT221はパトロンの公式サイトに紹介されておりますが、製法の特徴としては樽熟成についてのみ言及されております。その他の製法(原料、発酵、蒸留)などの違いは、ブランド責任者のコメントなどを見ても見受けられないため、違いとしては樽の違いなのかと想定されます。
パトロンは蒸留所として7種類の樽を使用しております。(AcademiaPATORONより)
そのなかでもLOT221に関してはフレンチオーク、ハンガリアンオーク、アメリカンオークの3種類を使用しているそうです。
通常ラインのパトロンアネホの作り方
詳細は前述のパトロンの説明に記載しておりますが、LOT221の特徴である樽に関してはフレンチオーク、ハンガリアンオークは共通です。違いはアメリカンウィスキーの中古樽を使用しているところです。
LOT221と通常ラインとの違い
アメリカンウィスキーも多くはアメリカンオークを使用しているため、結果として同じ樽材を使用しています。ただウィスキーで使用したもののほうが、樽香が強くなりすぎない傾向にあります。
味の詳細は後述しますが、LOT221のほうが甘い香りが強く出ているのは間違いありません。あとテキーラの色は以下の写真の通り、色味は若干違うものの、色の濃さはそこまで変わらない結果となっております。
パトロンLOT221の味わいと飲み方
作り方をご紹介しましたが、以下からは気になる味わいと飲み方をご紹介してまいります。
パトロンLOT221の味わい
香り:加熱されたアガベ、熟した洋梨とオレンジ、バター
しっかりと甘い香りが出ており、通常ラインのアネホよりも甘さが際立っている印象です。
味わい:自然な甘さを感じつつ、多少辛味は感じます。苦さは弱い。
アフターノート:バニラ感
はじめにはあまり感じなかったアメリカンオークらしいバニラがアフターノートで感じました。
おすすめ度:☆☆☆☆ー
新樽のアメリカンオークを使用することで、通常のパトロンよりも香りが豊かになっている。アメリカンオークの新樽を単独で使用するとバニラ感が強くなりすぎることも多いですが、他の樽とブレンドすることで複雑性を保って、程よい味わいです。
値段も通常のアネホよりも安いケースもあり、個人的には大変おススメです。
オススメの飲み方
特におすすめ:ストレート
おすすめ:ソーダ割り、ロック
しっかりとテキーラらしい甘さと、樽由来の甘さが感じられるので、カクテル等よりもストレートなどがおすすめです。甘さが弱い銘柄だとロックだと甘さが感じにくくなりますが、この銘柄はしっかりとしているので、ロックでも十分に楽しめます。
定性情報
NOM:1492
蒸留所:Patrón Spirits Mexico, S.A. de C.V.
エリア
蒸留所:ハリスコ州ロスアルトス地方(アトトニルコ)
アガベ産地:ハリスコ州ロスアルトス地方
加熱方法:マンポステラ(レンガ釜)
搾汁方法:タオナとローラーミル両方
加水:地下水
発酵槽:木製発酵槽
蒸留回数:2回
蒸留器:銅製単式蒸留機
熟成樽:フレンチオーク、ハンガリアンオーク、アメリカンオークを主に使用している模様
熟成期間:12−14ヶ月
度数:40
相場:6,500円
(上記はTequila match makerと製造元HPなどを参考にして作成)
編集後記
買いたい場合は、、、
飲みたくなってみたという方は、ぜひ以下からご購入して見ください。
テキーラをもっと知りたくなかった方用リンク集
テキーラ自体をもっと知って、楽しく飲みたいという方は、以下リンクをご参考にしてください。。
筆者渾身のテキーラ解説動画
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テキーラの基礎知識
テキーラの一歩進んだ知識
著者情報
- 著者名:テキーラダディ
- 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
- 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
- テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。
Twitterはおすすめ銘柄などを発信
筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!
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