タコスとは
この記事を読んでいる方はタコスのこと一度は聞いたことがある方は多いと思いますが、正確に説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか?
タコスの定義
タコスはトルティーヤと呼ばれる皮の上に、さまざまな具を乗せて食べる料理です。
発祥はメキシコの料理ですが、現在ではアメリカを初め様々な国で親しまれている料理です。
タコ(TACO)とは軽食のことだそうです。
参考:タコスとトルティーヤ
日本でタコスというとドン・タコスというスナックの影響からか、三角形のチップスをイメージする人がいます(以前は私もよくわかっていなかったです)
あれはタコスではなく、トルティーヤチップスという物です。トルティーヤを三角形にくり抜いて、フライした物です。
タコスの歴史
タコスの起源
タコスの歴史は古く、6千年以上前からメキシコの中央高原で携帯食をトルティーヤを食べていたそうです。その中に具材を挟んだことがタコスの起源だそうです。その後スペイン人が入植し、彼らが持ち込んだ香辛料と野菜により、更にバリエーションが増えたそうです。
(参考:タコス協会)
テクス-メクスの発祥とタコス
アメリカ合衆国のテキサス州が発祥のメキシコ風料理をテクス-メクスと言います。テキサス州はスペイン人入植以降、スペイン領だったのですがその後メキシコ独立、米墨戦争を経て1846年にアメリカ合衆国領となります。そのためメキシコ系の人も多く住んでおり、人的な流入も多かったそうです。
料理にもメキシコ発祥のものも多く、その代表格がタコスです。タコベルというアメリカ系のタコス屋はまさにテクスーメクスの代表格です。詳細は後述しますが、タコスでもだいぶ違う料理方法・味付けになっています。
タコスのバリエーション
タコスはメキシコにとどまらず、アメリカなどでも大変人気のある料理で、テクス-メクスのように独自の進化を遂げております。ここでは代表的なメキシコとテクスーメクスのタコスとその違いを紹介していきます。
メキシコのタコス
メキシコのタコスの特徴は①基本的にトウモロコシの粉から作ったトルティーヤと②具材の種類が豊富なことです。
トウモロコシのトルティーヤ
メキシコのトルティーヤの魅力の一つはトウモロコシでトルティーヤを作ることです。大変風味が豊かで、個人的に小麦のトルティーヤよりも好きです。*
また多くの場合、テクス-メクスよりもトルティーヤは小さめに作られます。
トウモロコシの粉は、トウモロコシを粒の状態で石灰水で処理(ニシュタマリゼーション)を行ってから、粉にされます。ニシュタマリゼーションを行うことで、トウモロコシの消化や栄養吸収に役立つだけでなく、粉がまとまりやすくなります。ニシュタマリゼーションがされていない粉を使用すると、ポロポロとまとまらず、まともにトルティーヤを作れません。
*メキシコ北部エリアでは小麦のトルティーヤを使用することもあります。
豊富な具材
テクス-メクスのタコスは後述しますが、あまりバリエーションはありません。一方、現地メキシコの具材は地域に寄って色々なバリエーションが有り、牛、豚、羊、ヤギといった動物系から、さらには魚やサボテンまで多種多様な具材があります。
タコスに乗せる具材は辛いイメージがあるかもしれませんが、決して辛いだけではなく、具材を様々な辛いだけではない香辛料とつけこんで作るので大変複雑な味わいとなるのです。
様々なサルサ
サルサと聞くと、赤色のトマトベースのものを思い浮かべる方も多いでしょうが、実はメキシコには様々なサルサがあります。サルサとはスペイン語でソースの意味なので、当然一種類だけではないのです。
赤・緑・白のメキシコ国旗と同じ色合いのサルサ・メヒカーナ(トマト・ピーマン・玉ねぎ)、アボカドのサルサ、赤色のサルサ・ロハなど様々な味わいがあります。
テクス-メクスのタコス
テクス-メクスのタコスも私は大好きです。
特徴は基本的に小麦を使用したトルティーヤを使用すること。またトルティーヤはメキシコのように焼くソフトタイプだけでなく、油で揚げたタイプもありカリカリでハードと呼ばれます。
テクスメクスの具材は大半が牛ひき肉で、これにトマトや香辛料を混ぜて味付けされ、キャベツ・トマト、トマトベースの辛めのサルサ(ソースのこと)をかけて出来上がります。
メキシコのタコスとテクス-メクスのタコスの違い
メキシコのタコス ※地域・店によって異なる | テクスメクスのタコス | |
トルティーヤの原料 | トウモロコシが基本 | 小麦 |
トルティーヤの作り方 | 焼く | 油であげる・焼く |
トルティーヤのサイズ | 小さめが多い | 大きい |
具材 | 牛、豚、羊、魚、サボテンなど | 牛ひき肉、レタス、トマト |
メキシコのタコスを作ろう
タコスを作るとなると、ハードル高そうですが、トウモロコシの粉さえあれば、自宅でも簡単に作れます。できたてのトルティーヤの味は格別ですので、ぜひ手巻き寿司のような感覚で気軽にメキシコ風タコスを楽しんでみてください。
トルティーヤの作り方
粉を買う
まず大事なのはトルティーヤの原料となる粉の購入です。これはマサともマサ・ハリナといった名称で売られていることが多いです。(マサは生地全般のことを指し、ハリナは粉ことを指すようです)ここで注意したいのは、トウモロコシの粉でもニシュタマリゼーションがしていない商品が当然存在していることです。ただ正直、ネットなどで見てもニシュタマリゼーションの実施有無はわかりづらいです。
私のおすすめはいつもAmazonに在庫があって、美味しいのでFRESCAのマサを使用しております。
FRESCA以外にも素晴らしい粉はあると思いますが、在庫が安定してあって・翌日には届くことを優先しております。(普通のスーパーでは無いので、買うなら輸入食材が豊富にあるお店です。我が家の近所のカルディや肉のハナマサにはなかったです)
トルティーヤを作る
粉を買えたらトルティーヤを作るのは簡単です!袋に書いてある指示に従って、粉・水・塩・(油)を混ぜて行きます。練上がったら、10〜20gぐらいのボールにして、これをプレスします。プレスする際はトルティーヤプレスがあると、薄く、まん丸にできますが、しっかりと作れるものは8千円ほどするので、初回では買わなくて良いです。
まな板など平らなものにラップを巻いて、同様の平らなものを用意して、丸くしたマサを体重をかけて潰します。我が家はまな板が二枚ありますが、なければハードカバーの本とかにラップ巻いて押せば良いと思います。たまにノシ棒で広げるといった記載もありますが、難しい上に時間もかかるのでおすすめしません。
これをフライパンで焼けばOKです。火加減は強めの中火で、焼き時間はだいたい1分間、両面それぞれ焼いたら出来上がり。出来上がったトルティーヤは布やラップでくるんでおきましょう。乾燥して固くなります。
トルティーヤプレスのメリット!
この記事作成とほぼ同時期にトルティーヤプレスを買って、楽しすぎて2週連続でタコスを作っていたくらいなので、トルティーヤプレスはおすすめです。ただいくつかのトルティーヤプレスのレビューを見ると、3千円くらいのものだと厚さがデてしまう、キレイにプレスできないなど酷評されており、買うとしたら日本だと私も買ったVictoriaの商品一択のようです。
サルサとカット野菜を作っておく
サルサはメキシコにおいては複数の種類を同時に乗せることがあります。そのため、せっかく自宅でタコスを作るのであれば、色々な種類を作り味変していきましょう。またトッピングの野菜も大変重要です。
アボカドのサルサ
メキシコ料理においてアボカドといえばワカモレと呼ばれるアボカドを潰した料理が有名ですが、このサルサも親しい具材を使います。ただし、スプーンなどで潰すワカモレに対して、ミキサーでなめらかにするこのサルサはだいぶ味わいが異なります。
【作り方】
- ◎がついている材料を強火で炒めて、焼き目がつくくらいにする
- 炒めたものと、その他の材料をミキサーに入れて、ペーストにする
アボカドは小さめに切っておいたほうが、ミキサーでよく混ざります - 塩で味を整えて、完成です
(他のサルサもそうだが、1時間ほどは置いたほうが味が馴染む)
【材料】
- アボカド:2個
- ◎トマト:1個
- ◎玉ねぎ:1/2個
- ◎青唐辛子:0〜2本
- パクチー2束
- ◎にんにく:2個
- ライム:1個
- 塩
サルサロホ
基本のサルサです。タコス以外にもトルティーヤチップスなんかにも合わせても美味しいです。
【作り方】
- にんにくはみじん切り、他の材料を適当なサイズにカット
- 強火で唐辛子の皮が軽く焼き目がつくくらいまで、材料を炒める(塩・ライム以外)
- 炒めたものと絞ったライムをミキサーに入れて、なめらかになるまで回す
- 塩を入れて再度回して、少々塩味が強いかなと思う程度で出来上がり
【材料】
- トマト:2個(ミニトマトなら8個くらい)
- 生の青唐辛子:0〜3本
- 玉ねぎ:1個
- にんにく:2個
- ライム:一個
トッピング用のカット野菜
トッピング用の野菜は決まりはないですが、おすすめはパクチーと玉ねぎです。あと野菜ではないですが、ライムをカットしておくと良いです。玉ねぎは私が生のものをそのまま食べるのが苦手なので、赤玉ねぎを細かく切って、水にさらしておくと、刺激が少なくなります。
他には千切りキャベツやレタスなんかも良いですが、さっぱりしたいときは大葉やミョウガなんかを刻んでおくのも良いです。ぜひ色々とためしてみてください。
具は何が良いか?
タコスの具材には決まったルールはありません。ただメキシコで定番の具材というものもあるため、その中でも作りやすい&美味しいものをご紹介します。また私が食べてきた中で、おすすめのアレンジ具材を使ったタコスを紹介します。
メキシコのタコスは様々な地域に根ざした具材・料理方法があります。大変手間のかかる料理方法もいっぱいあります。
大変手間のかかるタコスだと”tacos de barbacoa”(タコス・デ・バルバッコア)というものがあります。地中の釜に羊肉をアガベの葉で包んで蒸し焼きにするという料理もあります
そのままのレシピだと流石に日本だと作れなそうですね。
おすすめの定番具材
日本でも作りやすく美味しいタコスの具材を2つ紹介します。
タコス・デ・カルニータス
カルニータスとは豚の脂(ラード)で豚肉を揚げる料理です。具材はバラ肉などはもちろん、皮や内臓まで色々と入れます。低温でじっくりと揚げるので、肉はホロホロで、皮はコラーゲンがトロットロになります。
十分に温めたら、周りが多少カリっとしていますが、固くなっている部分と合わせて繊維に沿って包丁で切っていきます。豚皮が良い味を出してくれます。
【作り方】
- ラードを鍋で加熱して180℃まで温度を揚げます
- 温めたラードでバラ肉を加熱し、旨味を閉じ込めます
- その後弱火にして、ラードの温度が8-90℃位になる用に設定して2-3時間温めます。
- 内蔵や皮などの細かな具材は高温で温めたあとに、一度上げてから1時間ほどだけ温めて様子を見ましょう。
【材料】
- ラード:800g(市販のチューブでも十分/自分で作るとけっこう大変。。。)
- 豚バラ肉:1kg
※できれば皮付き、なければコラーゲン多めの部位を入れる - 好みの内蔵(何でも良いが、タンとかハチノスとか):300gくらい
- 塩
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