今回はアメリカのモデルなどとして活躍しているケンダル・ジェンナー(Kendall Nicole Jenner)がブランドオーナーである818テキーラを紹介してまいります。
ケンダル・ジェンナーがテキーラを作ったら叩かれた?
元々カーダシアン家のお騒がせセレブライフ(英名:Keeping Up with the Kardashians)という番組で世の中に出たケンダル・ジェンナー。彼女とはどういう人間か、テキーラを発売した際に叩かれた背景などを筆者なりにお伝えします。
ケンダル・ジェンナーとはどういう人か?
たぶん35歳以上のオッサンは、私も含めあまりケンダル・ジェンナーという人物を知らないのではないでしょうか。彼女は前述の”カーダシアン家のお騒がせセレブライフ”というリアリティーショーから出てきた有名人です。リアリティーショーとはテレビで生身の人間(風)な活動にフォーカスした番組のことです。日本で言えば、”あいのり”や”バチェラー””ビッグダディ”などがリアリティーショーです。
そこからモデルとして、SNSなどを有効活用して、一躍若年女性の人気者になったのがケンダル・ジェンナーです。自身のファッションブランド”KENDALL+KYLIE”なども持ち、ビジネスパーソンとしても成功しています。ちなみにInstagramのフォロワーは2.9億人もいます。(私のtwitterの19万倍…)
ケンダル・ジェンナーのテキーラづくりは文化的な盗用か?
ケンダル・ジェンナーが2021年に818テキーラをローンチする際、文化的な盗用であると批判をされました。いくつか英語・日本語でもそのような記事が出ておりました。
批判の理由としてはいくつかあり”テキーラのことを理解していない””メキシコの文化を理解していない”というような批判です。個人的にはケンダル・ジェンナーがテキーラへの造詣(ぞうけい)については、委託製造先やその変更を鑑みるに、おそらく深いことは無いのではないかと推察しています。ただ、他にもテキーラのことを十分に理解せずにブランドオーナーになっているセレブやビジネスパーソンはたくさんいます。彼女だけが批判される謂れ(いわれ)はないと思います。
また文化の盗用かという点については、彼女もテキーラやメキシコ文化をあたかも自分の物であるかのように発言したわけではないので、文化の盗用には当たらないと思われます。もちろん彼女がテキーラをただのビジネスの投資対象として扱っているかもしれませんし、リスペクトは無いかもしれませんが、文化の盗用という指摘は間違っているでしょう。
818テキーラの名前の由来
818は彼女の住んでいたカリフォルニア州カリバサスの市外局番(Area Code)です。自身のルーツに対する思いからこのブランド名をつけているそうです。こういうテキーラやメキシコ、スペイン語に一切関係ない、ネーミングも彼女のアンチからすると、文化の盗用だと言いたくなるかもしれませんね。
818テキーラの売れ行き
ここまでは叩かれているケンダル・ジェンナーをお伝えしましたが、テキーラの売れ行きを見てみましょう。
818テキーラのCOOによると2022年に12万ケース売れているそうです。一つ前の記事でお伝えしたドゥウェイン・ジョンソンのTeremanaは3年経過時点で年間百万ケースという実績には及びませんが、12万ケースというと12本入りで144万本、上代一本45ドルとすると6,480万ドルの売上で、1ドル140円で換算したら90億円以上の売上になります。大変売れていると言って過言ではないでしょう。
818テキーラのラインナップ
818テキーラは通常のブランコ(熟成無し)・レポサド(3か月)・アネホ(1年)に加えて、Eight Reserve by 818という上級ラインの4ラインナップになっています。
銘柄名 | 分類 | 熟成 | 度数 | 値段 | 備考 |
818 ブランコ | 100% Agave Tequila | ブランコ | 40 | $45 | |
818 レポサド | 100% Agave Tequila | レポサド | 40 | $55 | |
818 アネホ | 100% Agave Tequila | アネホ | 40 | $60 | |
Eight Reserve by 818 Tequila | 100% Agave Tequila | アネホ | 40 | $200 |
818テキーラの作り方
では批判されつつも、ヒット商品となっている818テキーラの作り方はどのようになっているかご紹介しましょう。
818テキーラの作っている蒸留所
テキーラに詳しくない方はご存知ないと思いますが、テキーラはOEM(外部での委託製造)がよく行われるお酒です。蒸留所がブランドオーナーから請け負って、委託で製造するのです。
818テキーラは、もともとはLa Cofradia(ラ・コフラディア)蒸留所で生産されていましたが、現在はメキシコのGRUPO SOLAVE, SA DE CVという蒸留所で生産されています。元々作っていたコフラディア蒸留所は色々なブランドのテキーラをOEMで製造することで、有名な蒸留所です。質よりも、多品種大量生産を得意とする蒸留所と私は認識しております。
現在の蒸留所はGRUPO SOLAVE, SA DE CVという蒸留所で、2023年8月現在で蒸留所の自社ブランドを販売していないようです。開設からあまり時間は経っていないです。同社はテキーラ専門の企業ではなく、食品系コングロマリットOleomexのグループで、アガベ栽培やアガベシロップ生産などをやっています。
818の製法
製法の情報だけ見ると、ビックリするほどコストをかけて作っているように見えます。
まずアガベの加熱はHorno de manposteria(レンガ釜)でゆっくりと加熱され、甘くします。甘くしたアガベは中の糖を取り出すために、Tahonaと呼ばれる石のローラーで搾汁されます。その後、ステンレス製の発酵槽で天然の酵母で2日かけて発酵。蒸留には銅製の蒸留器を使用。
細かくは以下のYOUTUBEのテキーラ作り方解説を見ていただきたいですが、上記のデータだけ見ると、マニアが好む高級テキーラと同じような製法となっております。
ここまでで既に818を飲みたくなった方は以下から購入してください!
818テキーラの味わいレビュー
それでは肝心の味についてはここからご紹介してまいります。今回はブランコのみをご紹介します。
ブランコ
- 味わい
- 香り:バニラ、アガベの香り(ただちょっと弱い)
- 味:甘さしっかり、辛さ&苦さは弱い
- アフターノート:アガベ感は残るがバニラ感は弱いが感じる
- おすすめの飲み方
○ソーダ割り、カクテル - Tequila Daddy’s Point:☆☆☆+
辛さなどは感じないが甘さが強く、面白みにかける。添加感が強い。
ブランコのレビューはテキーラYOUTUBERのWhite Bearのチャンネルで生配信で作りました。是非チャンネルもご覧ください。
編集後記
今回の818は元々テキーラに興味を今まで無かった方にご覧頂いているかと思います。是非まずは今回のケンダル・ジェンナーの818を実際に飲んでみてください。
もしテキーラに興味がでた方は是非以下のおすすめテキーラ記事などを御覧ください。
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著者情報
- 著者名:テキーラダディ
- 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
- 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
- テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。
Twitterはおすすめ銘柄などを発信
筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!
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