今回はよく誤解されがちな、テキーラのアルコール度数についてご説明します。
実はみなさんがよく飲まれるお酒とそこまで変わらないので、他のお酒との比較もしながらご説明してまいります。
テキーラの度数は誤解されがちだが、すごい強いわけではない
テキーラの度数は高いと思われがちである
私はテキーラのソーダ割りをバーで頼むと、周りの人から「テキーラですか?強いんですね?」ってよく言われます。ソーダ割りにしてもこんなこと言われるってことは、余程テキーラは強いお酒と思われているようです。
テキーラの度数は何度??
多くのテキーラの度数は38度か40度です。一般的にショットで飲まれることが多いクエルボのゴールド(レポサド)やサウザで40度になります。ショットで一気飲みされることが多いことから、もっと強いイメージを持っている方が多いようですが、他の蒸留酒とあまり変わらない強さです。
他の蒸留酒とテキーラの度数を比較
以下の表では、よく目にする蒸留酒の度数とテキーラの度数を比較しております。
焼酎に比べるとテキーラは強いですが、多くの蒸留酒と変わらない
種類 | 代表銘柄 | 度数 |
焼酎 | 黒霧島 | 25度 |
テキーラ | クエルボ | 40度 |
ウィスキー | 角瓶 | 40度 |
ウォッカ | スミノフ | 40度 |
ウォッカ | スピリタス | 96度 |
蒸留酒とはお酒の分類の一種です。一般的にはビールやワインなどが含まれる醸造酒、ウィスキーやテキーラが含まれる蒸留酒に大別されます。醸造酒を揮発させ、アルコール分を中心として抽出したものが蒸留酒になりますので、度数が醸造酒に比べて強いです。
テキーラの度数は法律で決まっている
テキーラは他の蒸留酒と比べるとメキシコのCRTで決められたルールが多いお酒になります。その一つがアルコールの度数で、法律上35−55度のものしかテキーラとは呼べないこととなっております。
メキシコの経産省認可のもと、CRTという組織がこのルール遵守と監視を行っています。
ルールを守らないと、テキーラとは記載して売ることができないことになっております。
テキーラのアルコール度数が誤解される理由?
ショットで飲むから誤解される?
ではなぜテキーラが強いお酒だと思われているかと考えると、テキーラはショットで一気飲みすることが多いお酒だからではないでしょうか?一気に飲んでしまえば、皆さん酔っ払いますし、テキーラは強いお酒って勘違いされるのではないでしょうか。
参考:仕事上ショットで飲まなきゃいけない人むけ銘柄はこちら
純粋なアルコール量を度数から計算してみるとそこまで多くはない
以下のようなショットグラスで容量は60mlとなっております。ショットで飲むとなると、だいたい半分程度を入れられていることが思いますが、多めに45mlを飲む量とします。純粋なアルコール量としては45ml×40%なので、18mlとなります。
ビールが350ml缶が一般的で、度数は5度の銘柄が多いです。そうなると350ml×5%なので、17.5mlで、実はテキーラのショット飲んでいるアルコール量としては変わらないのです。
そう言われてもテキーラの度数は強くて酔っ払うという印象の方が多いと思います。そのような方には、次項以降のテキーラで酔っ払いづらくするための知識をご確認ください。
テキーラをショットしなきゃいけないときは?
この記事を読んでいる方は皆さん少なからずテキーラのショット経験があると思います。
正直、なかなか雰囲気的に断りづらいことも多く、でも翌日も仕事だし飲みたくないって言うことも多いですよね??
(本当に危険なときは言いづらくても勇気を持って断ってください。また、無理やり飲ませるのは絶対にやめましょう!!)
テキーラショットには水を飲もう!
テキーラをショットしたら可能な限りコッソリと水を飲みましょう。
大体テキーラのショットは30ml程度なので、250mlの水を摂取したら胃の中でアルコール度数はビールと同等の5%前後に収まります。
どうしてもテキーラで酔っ払いたい人は別にして、テキーラを飲む前に可能ならお酒のふりをして用意しておきましょう。お店の人も吐いてトイレや設備を汚されるくらいなら、水や炭酸水を用意するのはそんなに嫌がられないことが多いのではないでしょうか。
せっかく飲むならプレミアム・テキーラ(アガベ100%)を好きな飲み方で!
ショットで飲んで、みんなでテンション上げるのも良いですが、プレミアムテキーラ(原料のアガヴェを100%使用)を好きな飲み方で飲むのはいかがでしょうか。
テキーラには主に2種類あって、ミクストと呼ばれる主原料のアガベを100%使用していないタイプと、プレミアムテキーラと言われるアガベを100%使用したものです。
米国でテキーラはゆっくり楽しむセレブなお酒?
日本ではすっかりアルコール度数の高いパリピのためのお酒というイメージが強いですが、世界最大のテキーラ消費国のアメリカでは、テキーラはセレブのお酒というイメージが大変強いです。
テスラモーターズのイーロン・マスクや俳優だとジョージ・クルーニーやジャスティン・ティンバーレイクといったハリウッドスターまで、自身でテキーラブランドを立ち上げているほど、テキーラはセレブのお酒というイメージが強いです。
またショットで楽しむシーンもありますが、ゆったりと味や香りを楽しむお酒として根付いております。
事実、アメリカへのテキーラ輸出量はプレミアムテキーラとミクストが逆転して、いまやプレミアムテキーラのほうが輸入量が増えております。
ぜひ、美味しいテキーラを飲んでみたいという方は以下のリンクを参考にテキーラを味わってみてください!
筆者渾身のテキーラ解説動画
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テキーラの基礎知識
テキーラの一歩進んだ知識
著者情報
- 著者名:テキーラダディ
- 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
- 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
- テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。
Twitterはおすすめ銘柄などを発信
筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!
ただどうしても仕事上、ショットで飲む必要があるよっていう人は、こちらの記事で2日酔いになりづらいテキーラを仕入れてください。
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