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サソリがアイコンのAlacran(アラクラン)

★★★+

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日本でも比較的バーなどで見ることが多い、Alacran(アラクラン)。サソリがアイコンとなっており、比較的知名度はある方ですが、意外とどのようなブランドかは知られておりません。成り立ち、変遷、味わいのレビューをしてまいります。

Alacranの成り立ち

スタート

Alacranは比較的最近のブランドで2010年から販売されています。アメリカ人が新しいテキーラブランドをどんどん発売していく昨今ですが、Alacranはメキシコ人が作ったブランドです。メキシコシティ発の友人同士で作ったブランドだそうです。
またAlacranはブランドとして、テキーラでスタートしていますが、その後メスカルのラインも作り、日本でも販売しております。(メスカルの蒸留所は別です)

蒸留所の変更

当初、AlacranはTierra de Agavesという蒸留所で製造されていました。この蒸留所は日本でも販売されているLunazulというブランドを製造しているブランドです。場所はバジェス地方のテキーラ村にあります。

いつから変更になったのかは確認できませんでしたが、現在はProductos Finos de Agaveという蒸留所で製造しているのです。この蒸留所は以前と異なり、ロスアルトス地方のヘススマリアという村にあるのです。ロスアルトス地方とバジェス地方の違いは以下の記事を確認ください。

ブランドオーナーと蒸留所オーナーが異なるブランドでは、蒸留所を変更することは多くあります。ただ上の記事でも紹介しておりますが、2つのエリアでは味に傾向がありますので、蒸留所移転時に少なからず味が変わったのではないかと思います。
ただAlacranは蒸留時に連式蒸留機で作る、TMM(TequilaMatchMaker)で確認すると無添加認証でもないため、もしかしたら味にあまり影響を受けないかもしれません。

連続式蒸留機は度数を高めまで上げるため、味わいがスッキリする。また現在テキーラでは香料が大変発達しており、テキーラ風の香料まで有るそうです。詳細は以下の別記事をご覧ください。

またこの蒸留所はジョージ・クルーニーのカーサミーゴスを過去に作っていたりと、委託製造が多いです。そのため蒸留設備も多種多様な作り方に対応しているようです。蒸留所の自社ブランドだとCampo Azulというブランドがあり、日本でも販売されております。このCampo Azulというブランドでも最近販売したCampo Azul1940というブランドはTMMの無添加認証も取っており、テキーラマニアの中では大変評価が高いブランドとなっております。(通常の日本に入ってきているCampo Azulはそこまで高くないので注意!)

作り方

Alacranの自社サイトだけだと作り方が十分に理解できなかったため、TMMと自社サイト両方を参考にまとめております。(TMMも誤っていることがあることをご承知おきください)

糖化:アウトクラベ(高圧)
原料のアガベを甘く仕上げる工程。アウトクラベを高圧でやると、伝統的なマンポステリアと呼ばれるものに比べて、短時間で処理できるが、香ばしさが弱い/青っぽさが強くなると言われている。どちらかというテキーラマニアにはあまり好かれる作り方ではない

アウトクラベ(他の蒸留所)

発酵:自家製イーストで発酵促進剤は不使用
一部の大量生産ブランドだと発酵促進剤を使うケースもあるが、Alacranのような大量生産ブランドにしては使用しないことを表明するのは好感が持てる

蒸留:連続式蒸留機

一気に度数が上がってしまい、味わいがスッキリとしてしまい、あまり好まれる作り方ではない。その分、香料で味わいを補っていると推察。

また熟成してるレポサド以上だと、樽はアメリカンホワイトオーク(新樽と思われる)を使用しております。

アラクランのラインナップ

今回のレビューはブランコしか実施しておりませんが、ラインナップとしては以下があります。海外での販売銘柄と日本では同様の取り扱いがあります。前述の通り、メスカルのラインで3種あります。

銘柄名分類熟成度数値段備考
Alacranブランコ100% Agave Tequilaブランコ40¥5,000
Alacranレポサド100% Agave Tequilaレポサド(4ヶ月)40¥5,400
Alacranクリスタリーノアネホ100% Agave Tequilaアネホ(14ヶ月以上)40¥5,700フィルターで無色化
Alacranエクストラアネホ100% Agave Tequilaアネホ(40ヶ月以上)40¥6,700
Alacranピンクボトル100% Agave Tequilaブランコ35¥5,200売上を乳がん基金へ寄付

味の特徴

味わいのレビュー

香り:青っぽいアガベ、胡椒、バター、有塩バター、アルコール感

味:甘さがはっきり(スッキリ)、辛さそこそこ強い

アフターノート:青っぽい香り

印象としてはドンフリオのブランコに似た、癖を感じます(より甘さを感じるが)個人的にはストレートで飲むにはちょっときついかなとという印象です。

おすすめの飲み方

○ソーダ割り、✕ストレート

ブランドサイトでもカクテルなどでの飲み方をおすすめしているので、ソーダ割りやカクテルなどに癖がちょうどよいのでは無いでしょうか。

Tequila Daddy’s Point:☆☆☆+
決して悪いブランドではないが、味わいを考えると5千円だともっと安い似たようなレベルのテキーラはあるし、同価格帯なら香料無添加のもっと良いブランドがあるかなと感じる。例えばCalle23のブランコだと大変味わいの複雑性があり、天然な甘さが大変魅力的である。よろしければ以下リンクを御覧ください。

定性情報

NOM:1416
蒸留所:Productos Finos de Agave, S.A. de C.V.
エリア
 蒸留所:ハリスコ州 ロスアルトス地方
 アガベ産地:不明
加熱方法:アウトクラベ(高圧)
搾汁方法:ローラーミル
加水:井戸水
発酵槽:ステンレス発酵槽
蒸留回数:2回
蒸留器:連続式蒸留機
熟成樽:アメリカンホワイトオーク(ブランコ、ピンク以外)
熟成期間:本文中記載
度数:40度(ピンク35度)
おすすめ度:☆☆☆+(ブランコ)
(上記はTequila match makerと製造元HPなどを参考にして作成)

編集後記

買いたい場合は、、、

いかがでしたでしょうか。
飲みたくなってみたという方は、ぜひ以下からご購入して見ください。

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著者情報

  • 著者名:テキーラダディ
  • 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
  • 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
  • テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。

Twitterはおすすめ銘柄などを発信

筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!

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