最近日本でもじわじわ流行ってきているメスカル/Mezcalとはどんなお酒か?テキーラとの違いについて紹介いたします。
最近徐々に日本でも流行っているメスカル
最近、メスカルという名前のお酒を聞くことが多くなってきています。
アメリカや一部のスピリッツ・ラバーな日本人が注目しており、日本では協会も立ち上がっております。
本日はメスカルの製法やテキーラとの違いについてご説明いたします。
メスカルの特徴、要件
まずメスカルはメキシコで、アガベを原料に製造された蒸留酒です。
それだけ聞くと、「あれ?テキーラと一緒じゃない?」って思った方もいらっしゃると思います。
テキーラともともとは兄弟・親子のようなお酒ですが、味わいは結構違います。
そんなメスカルとテキーラの主な違いは以下です。
メスカルの生産地
まずメスカルの特徴としては、なんと言っても生産地が違います。
テキーラはハリスコ州のテキーラ地域周辺の蒸留所と定義されておりますが、メスカルは指定された9つの州であればどこでも大丈夫です。
メスカルの原産地呼称がスタートしたときは6州だったようですが、その後増えてきています。
メスカルの原料
テキーラに使われるアガベの記事でもお伝えしておりますが、テキーラで使用すべきアガベはアガベアスル(英名ブルーアガベ)です。
一方、メスカルが使用できるアガベはブルーアガベも含むすべてのアガベを使用できるのです、
特に使用されているアガベはエスパディン・アガベです。
メスカルの生産方法の特徴
メスカルとテキーラの生産方法は比較的近しいのですが、テキーラはアガベを加熱して糖化させる際にアウトクラベ(圧力釜)やマンポステラ(レンガ釜)を使って間接的に加熱することが多いです。
一方、メスカルはタテマドと言われる手法で直接火の上に載せて、直火焼きにする傾向にあります。
(原産地呼称上、決められているわけではない)
そのため、テキーラに比べてスモーキーさがついていることが多いです。
メスカル | テキーラ | |
作れる場所 | 9つの州 | ハリスコ州テキーラ地域周辺 ※ハリスコ州以外は4蒸留所 ※アガベは5州で栽培可 |
使える原料 | アガベであれば品種は問わない | ブルーアガベのみ |
アガベ割合 | 100% | 51%以上 |
糖化 | 蒸し焼き | 釜で加熱 |
メスカルとテキーラの背景
上述の通り、メスカルとテキーラは似通いつつも、違う作られ方がすることも多いです。
それはテキーラがもともとメスカルの一種だったことに起因します。
メキシコを征服したスペイン人は現地に蒸留技術を持ち込み、お酒を作り始めました。
そのお酒こそがメスカルです。
メスカルがメキシコの様々な地域で作られ始めた時に、特に美味しいと評判になった地域があります。
それがハリスコ州の中でもテキーラ村と周辺です。
広くテキーラの名前は有名になったようですが、同時にテキーラと偽ったメスカルが増えたようです。
その結果、1974年にサウザの3代目当主が中心となって、原産地呼称を確立し、原料と生産地を決めたものしかテキーラと呼べなくしました。
一方のメスカルも、2000年以降に原産地呼称とするべく、動き現在の条件ができたのです。
メスカルが原産地呼称とする前までは、メキシコのアガベで作られた蒸留酒はテキーラを除くとすべてメスカルと呼ばれていました。
そのため、テキーラとメスカルは兄弟(親子?)のような関係のお酒となっているため、共通点も多いのです。
メスカルにマッチするおつまみ
薫製がイチオシです。私は自分でも家で薫製を作るので、いつもメスカルを飲むときは薫製を作ります。
家で薫製を作れない方は薫製ナッツなんかを準備しておくだけでも豊かになると思います。
燻製作るならこちらのレシピがおすすめです。https://www.peatshop.com/smoke/nats54.htm
日本で買いやすいメスカル
有名な銘柄を以下で紹介できればと思います。
【グサーノ・ロホ】
メスカルの中にアガベにつく虫が入っているのが特徴的。
昔より美味しくなっている気がするが、最近アガヴェ100%になったとのこと。
【アハル】
個人的には結構味が好きで、買っています。
スモーキーだけど、華やかさもあるといった味わいです。
デザインも素敵なのですが、女性だけで創業し、主導しているブランドとのことです。
エントリーしやすい一本だと思います。
本日はメスカルのご紹介をしましたが、興味を持っていただけましたか?
少しずつ、テキーラ以外の銘柄もご紹介できればと思うので、ぜひまたご覧ください。
上の二本はまた別で必ずご紹介しますね!
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著者情報
- 著者名:テキーラダディ
- 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
- 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
- テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。
Twitterはおすすめ銘柄などを発信
筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!
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