当ブログは成人を対象としており、20歳未満の方は閲覧をやめてください。

大手アルコールメーカーのLVMHが売り出しているVolcan De Mi Tierra(ヴォルカン デ ミ ティエラ)

ヴォルカン ★★★★

本サイトはテキーラの魅力を発信するため、未成年者の閲覧を禁止いたします。

現在のテキーラ業界では、ディアジオがドンフリオ、カーサミーゴスを買収し、バカルディがパトロンを買収、サントリーがサウサをビーム買収に合わせて間接的に手中に収めるなど、多くの大手酒造メーカーがテキーラ製造に乗り出しております。そのような中、比較的最近までテキーラに関わりがなかったのが、LVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)です。

LVMHがテキーラを作るまでの経緯、作り方、その評価を紹介してまいります。

LVMHが現地企業とVolcanを作るまで

Vocanの産声

Volcán De Mi Tierra(ヴォルカン デ ミ ティエラ) は、壮大な計画から始まったのではなく、偶然の出会いから始まりました。ファン・ガヤルド は、2014年にパリで開催された会議でLVMHのドリンク部門の前の責任者であるクリストフ・ナヴァールと出会いました。この会議の目的は、フランスとメキシコの通商関係の関わりを増やすことを目的にしておりました。カジュアルなランチ中に、ファン・ガヤルドはLVMHのナヴァールに「なぜモエ・ヘネシーにはテキーラがないのですか?」。毎年売上が増えているテキーラへの進出を、LVMHはこの会合がきっかけになったそうです。

Vlocanは2社の合弁

前述のガヤルド家は主にメキシコで製糖業の大手で、一族としては多少はテキーラづくりに関わりがあったのです。そのガヤルド家と世界中に販売網を持っており、高価格帯のアルコールを売ることに長けているLVMHが共同でテキーラを作り始めたのです。2014年に初めてあった2社はその三年後、2017年にはテキーラの発売を始めたのです。

引用:https://www.volcan.com/our-craft

Vlocan de mi tierraの意味

Volcan de mi tierraの意味は”我が土地の火山”という意味になります。これはハリスコ州の中でもテキーラ村の南に位置するテキーラ火山(Volcan de Tequila)に由来します。テキーラ火山は22万年ほど前に噴火し、この一帯を火山灰地質にすることで、結果としてテキーラの原料となるAgaveの生育がしやすい土地となったのです。この恵みを与えたことに感謝し、この名前がつけられているのです。

2023年筆者撮影_テキーラ火山

Volcanの作り方

大手がしっかりと作る無添加テキーラ

Volcanは”しっかりと作られたブランド”という表現は他の大手メーカーに失礼かもしれませんが、Volcanは本当にちゃんと作っています。まずテキーラの添加物については以下の記事を見ていただきたいですが、Volcanは大手メーカーとしては珍しい無添加テキーラとなります。無添加テキーラの魅力は、原料のアガベ本来の味わいをしっかりと感じられることが魅力で、その素晴らしさをしっかりと感じられるのがVolcanです。

作り方のコンセプトは融合

Volcanは前述の通り、メキシコ企業とフランス企業の合弁というだけでなく、融合というのが一つのコンセプトのようです。それは作り方に現れており、まず原料のアガベはバジェス地方とロスアルトス地方というハリスコ州の2大産地で作られたアガベを両方使用。アガベを加熱するための釜は、アウトクラベという現代的な圧力釜と、伝統的なオルノ・デ・マンポステリアの両方を使う。

このように一つの産地・製法だけにとらわれずに、融合していくのがVolcanの作り方なのです。

ブランドの名前がVolcanで、テキーラ火山への感謝と言っているのに、テキーラ火山の影響で火山灰土壌のバジェス地方のアガベを使用するのは当然だけど、粘土地質のロスアルトス地方のアガベも、使うのかい!と突っ込みたくなるのは筆者だけではないはずである。。。

アガベはバジェス地方とロスアルトス地方をブレンド

バジェス地方について説明する前に、あまりテキーラに馴染みがない方に解説すると、テキーラはメキシコの5つの州でしか作ることができず、その中でもハリスコ州という場所で大半のテキーラが作られています。さらにハリスコ州の中でも2大産地がバジェス地方とロスアルトス地方になります。

細かくは以下の記事を御覧いただきたいですが、簡単に2つの土地について説明します。バジェス地方は前述の通りテキーラ火山の影響で火山灰土壌で、また標高は1千メートルくらいである。一方のロスアルトス地方は粘土質で標高は2千メートルを超えている。傾向としてバジェスのほうがアガベがストレートな甘さ、ロスアルトスのほうが濃厚な甘さと評されます。この2つのエリアは車で5時間以上は離れており、両方のアガベを使うブランドは多くないです。

Volcan de Mi Tierraテキーラの味わい

今回はまずブランコの味わいレビューしてまいります。

ブランコ

  • 味わい
    • 香り:アガベの香りがしっかり、グレープフルーツ、多少野菜っぽさ
    • 味:甘さがしっかりとしており、辛さも薄め
    • アフターノート:フルーティでメロンのような香り、加熱されたアガベ
      大変心地よく、バランスの良いテキーラ。
  • おすすめの飲み方
    ◎ストレート、○ソーダ割り、△ロック
  • Tequila Daddy’s Point:☆☆☆☆
    ストレートで十分に楽しめる。しかも値段的に5千円前後で買えるという、とてもLVMHグループとは思えない良心的な価格付け。正直、世界的な酒造メーカー(サントリー、ディアジオ、バカルディ等)の中で、日本で売っている圧倒的に最も素晴らしいテキーラと言えると思う。
    ただそこまで日本での販売に頑張っているわけではなさそうなので、是非ともプロモーション・営業を頑張って欲しいと思う。

その他の銘柄については、今後レビューしていければと思いますが、個人的にそこまで興味がないクリスタリーノなので、すぐに書くことはあまり期待しないでください。

また23年11月現在、ブランコの在庫は切れてしまっているようです。

編集後記

いかがでしたでしょうか。Volcanからテキーラに興味を持たれた方はぜひ以下の筆者のテキーラ説明を御覧ください。楽しいテキーラの沼にはまれるかと思います。

筆者渾身のテキーラ解説動画

筆者のおすすめテキーラ

おすすめ銘柄
「おすすめ銘柄」の記事一覧です。

テキーラの基礎知識

テキーラの一歩進んだ知識

著者情報

  • 著者名:テキーラダディ
  • 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
  • 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
  • テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。

Twitterはおすすめ銘柄などを発信

筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました