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クエルボ蒸留所のテキーラブランド1800を徹底解説

1800 テキーラ銘柄紹介

本サイトはテキーラの魅力を発信するため、未成年者の閲覧を禁止いたします。

本日はテキーラブランドの中で、2020年コロナ禍真っ只中でも売上を伸ばしているテキーラブランドの1800をご紹介します。
文末に1800アネホの業務用大量購入の最安値リンクをつけておりますので、ぜひ飲食店の方はご活用ください。

世界No.1テキーラブランド(ホセ・クエルボ)のプレミアムライン

世界最古のテキーラ蒸留所、クエルボ

テキーラを普段飲まれない方でも一度は見たことがあるかと思うのが、クエルボ(Jose Cuervo)ではないでしょうか。

クエルボ
一番左がJose Cuervo Especial(日本の現行ラベルとは異なります)

創業は1795年で、現在のラ・ロヘーニャ蒸留所は1812年から稼働しており、現在稼働する蒸留所としては最古の老舗ブランドです。

クエルボ氏の子孫が今も経営する家族経営のブランド

1795年の創業はドン・ホセ・アントニオ・デ・クエルボ(Don José Antonio de Cuervo)で現在の経営者は7代目のファン・ドミンゴ・ベックマン(Juan-Domingo Beckmann)という子孫が経営しております。
大手のテキーラブランドはサウザ、ドン・フリオなどの大半が大手アルコールメーカーに買収される中、大手の中では数少ない家族経営となっております。

初代のDon José Antonio de Cuervo/cuervo.comより

1800はクエルボの中でも上級ライン

なんといってもクエルボの特筆すべきポイントは、世界で最も売れているブランドであるということです。そのクエルボの中でも、日本で購入可能なテキーラは以下の4種類に分けられます。

  1. クエルボ・エスペシャル:1,980円(これだけミクストという種類)
  2. クエルボ・トラディショナル:2,950円
  3. 1800:3,300円
  4. クエルボ・レゼルヴァ・デ・ラ・ファミリア:18,000円
    (4以外はすべて各ラインのレポサドの輸入元希望小売価格)

1800はクエルボの中で上位ブランドの位置づけです。
ちなみにクエルボ蒸留酒が作っている日本向けのブランドで唯一1800だけがクエルボをブランド名に入れておりませんが、同じオーナーが作っていることからクエルボ1800と呼ばれることが多いです。(海外だとMaestro DobleとGran Centenalioなどがある)
日本ではクエルボと1800はクエルボのブランドページで扱われておりますが、米国のサイトではクエルボのブランドサイト1800のブランドサイトは別になっております。ちなみに以下の1800のブランドムービーでも一切クエルボの表記は出てきません。

1800 Tequila | Making The Best Taste In Tequila

1800の由来は?なんて読むの?

1800の由来はテキーラの熟成

1800の名前が着いた由来は、「テキーラが初めてオーク樽で熟成された年」が1800年頃だったからです。クエルボの蒸留所創業年が1795年なので、創業後すぐにテキーラの熟成が始まったようです。

クエルボの樽/Cuervo.comより

1800の読み方は?

スペイン語での1800の読み方はミル・オチョ・シエントスと読みます。(ミル:千、オチョ:8:シエントス:百)1800をさらっとミルオチョシエントスと呼べると、テキーラ好きからは分かっているな。と思われるかもしれません。ただ、テキーラにそこまで詳しくないバーテンダーさんはミルオチョシエントスと言っても意味わからないと思うので、いつも私はオーダーする時は「せんはっぴゃく」と呼んじゃいます。

1800のボトルはなんで台形?

米国向けのサイトを見ると、「マヤのピラミッドを彷彿とさせる形」といった表記となっております。メキシコの歴史あるブランドというブランディングをしていきたいのかと思われます。

よく見るクエルボと1800は何が違う?

一番見慣れたクエルボ?/アサヒビールHPより

テキーラの主原料はアガベという植物ですが、そのアガベの使用割合でテキーラは実は2つに分類されます。

  • 100%アガベ・テキーラ:原料のアガベを100%使用したものにのみ使える
    (一般的にプレミアム・テキーラとも呼ばれる)
  • テキーラ:原料のアガベを51%以上使用すればテキーラと呼べる
    (一般的にはミクスト・テキーラと呼ばれる)

一般的にショットで一気飲みされるのはミクスト・テキーラで、日本の売上の約90%程度はこちらが占めます(CRT統計サイトより)ミクストでアガベ以外の原料は大半が糖蜜と呼ばれる砂糖を作ったときの副産物で作られており、アガベに比べると大変安く手に入ります。クエルボだとエスペシャルがミクスト・テキーラに当たります。

今回ご紹介する1800は100%アガベ・テキーラです。
テキーラの分類詳細はこちら

テキーラのことを知りたい方向け動画

そもそもテキーラのことをよく知らない・勉強したいという方はぜひ以下、Youtubeを見てみてください!私の渾身の説明動画なので、よろしければチャンネル登録とイイねも推してください。

1800のラインナップ

日本に正規輸入されている1800

日本での販売は長いことアサヒビールが担っており、2023年2月現在は以下を輸入しています。

  • シルバー:3,300円/熟成なし
  • レポサド:3,300円/6ヶ月以上熟成
  • アネホ:9,500円/12ヶ月以上熟成だが14ヶ月熟成したものが主体
  • クリスタリーノ:10,500円/熟成期間不明だが最低1年
    ※2022年11月から発売

特に日本で需要の高い1800アネホの最安値は以下のリンクをご覧ください。

日本に正規輸入されていない1800

アサヒビールが販売していないアメリカ等で販売されている1800は以下があります。一部並行輸入で日本に来ているものもあるため、興味のある方は試してみるのも良いかと思います。

  • ミレニオ:エクストラアネホに該当し、最低3年熟成
  • コレクシオン:最高の生産ができたときにのみリリースされ、アーティストとボトルデザインをコラボ。2,000ドル(約20万円)で売られたようです。
  • ココナッツ:フレーバードテキーラ(リキュールではなくテキーラの基準に該当)
  • マルガリータシリーズ:ライムだけではなくパイナップルなど全6種類をリリース

ココナッツは日本でもたまに売っているところを見ます。

1800の作り方

1800は自社のウェブサイトでは詳細な作り方などは公表しておらず、海外のテキーラ口コミサイト(Tequila Match Maker)などを参考に記載いたします。

アガベの栽培

テキーラの原料となるアガベは一般的に5年以上は栽培されております。現在アガベが高騰していることもあり、一部では3年程度の若すぎるアガベで無理やり収穫するケースも一部ブランドではあります。ただ1800はアガベ高騰期前は8年以上と米国向けHPで公称していたたと記憶しており、おそらくは現在も5年は維持しているのはではないかと推察されます。

アガベ畑
別の蒸留所のアガベ畑

加熱、発酵、蒸留

加熱

収穫してきたアガベはそのままではアルコールにできないため、加熱して甘くします。イメージとしては生のサツマイモを加熱すると甘くなるのと同様のやり方で行います。加熱の仕方はいくつかありますが、高圧のアウトクラベという8時間で甘くなる手法を取り入れております。アウトクラベ以外だとマンポステリアという3倍以上時間がかかる手法もありますが、1800は比較的短時間・低コストでできる手法を用いております。
(クエルボエスペシャルなどはディフューザーというもっと手間の少ない、搾汁効率のよい手法を使っているので、クエルボよりはこだわっている)

別の蒸留所のアウトクラベ

発酵

加熱が終わったアガベはローラーミルという搾汁機で絞られ、発酵にまわされます。クエルボの蒸留所は自家で培養している独自の酵母を使用していると言われております。おそらく1800もこの酵母を使用しているのではないかと推察されます。

蒸留

蒸留は1800は単式蒸留機(Pot Still/効率普通)と呼ばれるものを使っているようです。ただTequila Match Makerではブランコが連式蒸留(Column/効率良い)、レポサドとアネホが単式蒸留となっております。テキーラではよくあることですが、出荷先の国によって、スペック(製法、度数など)を変えているケースが有り、おそらく1800もそのタイプだと思われます。

樽熟成

樽熟成はレポサドで6ヶ月の熟成が主体、アネホで14ヶ月が主体と言われております。樽材は1800のホームページにはオークとしか記載されておりませんが、おそらくアメリカンホワイトオークの樽を主体としていると思います。

1800の各銘柄をレビュー&おすすめ飲み方

日本に正規輸入されている4銘柄をレビューしてまいります。

ブランコ

  • 香り:ふわっと甘い加熱されたアガベの香り、オレンジ様な爽やかな香り、バターの甘い香り、ちょっと野菜っぽさ
  • 味わい:ストレートに甘さを感じ、スパイシーさもある
  • おすすめの飲み方:飲み方はソーダ割りで少しだけライムを入れて、さっぱりと飲むのがおすすめ。カクテルでも悪くない
  • おすすめ度:☆☆☆+
    (3千円くらいで買えるのは良い。ただちょっと香料が効きすぎている感じも強い)

レポサド

  • 香り:アガベの香り、樽感、バニラ香、バターっぽさ、ちょっと革のニュアンスを感じます。
  • 味わい:飲んでみると甘さはストレートな甘さに少しクリーミーさも感じる。辛さは適度、苦さは程よく感じ
  • おすすめの飲み方:飲み方はソーダ割りがおすすめですが、カクテルでストローハットやパロマなんかもおすすめです。
  • おすすめ度:☆☆☆++
    (1800の中ではもっともおすすめ。値段が手頃で、ある意味一番クエルボっぽい銘柄で、美味しい。)
我が家のストローハット

1800アネホ

  • 香り:アガベの香り、しっかりと樽感、ヴァニラなど。
    (おそらくは新樽を都度焼きを入れながら、樽感を感じやすいような作りをしている印象)
  • 味わい:甘さがストレート、スパイシーさも感じる
    (甘く感じることに集中しており、ショットでの飲みやすい)
  • おすすめの飲み方:ストレートかロック
    (甘さがロックでも腰折れしない)。
  • おすすめ度:☆☆☆+
    (味としては完成されているが、正直高い上に、飲みやすさを重視しすぎてテキーラらしさ薄れて、面白みが無いと感じる。ショット用ドリンクとしては良いと思うが、テキーラらしさを楽しむのであれば、優先順位は低い)
画像
アネホはストレートで飲むなら、ぜひ良いグラスで!

1800クリスタリーノ

  • 香り:アガベの香りはうっすらとして、ヴァニラ感が強い、若干綿菓子などの甘さも
  • 味わい:甘さがストレート、粘度は低い
  • おすすめの飲み方:ストレートかロック
  • おすすめ度:☆☆☆+
    (味としては完成されているが、1万円前後と高い上に、飲みやすさを重視しすぎてテキーラらしさ薄れて、面白みが無。ショット用ドリンクとしては良いと思うが、テキーラらしさを楽しむのであれば、わざわざ購入する優先順位は低い)

クリスタリーノとはどのような製法かは以下の記事をご覧ください

コロナ禍でも売上を上げた1800

2020年は全世界がコロナ禍で悩まされた年でした。
テキーラがまだまだショットドリンクで飲まれる日本ではバーやClubが閉まっていた期間の多い2020年のテキーラの販売は激減し、前年の229万リットルから126万リットルまで輸入量は減りました。そのような中テキーラの売上を伸ばしたブランドが1800でした。

要因としては、自宅時間が増えて安いミクストテキーラではなく、1800などのプレミアムテキーラの消費が増えた。またクエルボエスペシャルを取り扱っている店舗に対して、値段アップを目的に1800も仕入れをするように卸の営業が働きかけたといった話もあるようです。

テキーラジャーナルより

どのような理由にしても、ショットドリンクの色合いが強い日本のテキーラ市場で伸ばしたのはすごいと思います。

業務用(大量購入)最安値の1800アネホ_2024年3月21日更新

更新時点、並行輸入で「リカーズベスト」が最安値になっております。他にも安いお店はあるのですが、1本あたり700mlだったり、度数が正規と異なるなど仕様が異なります。こちらは750mlなので、実質的な最安はこちらのはずです。今後円安で更なる値上がりの可能性があるので、今のうちに仕入れた方が良いでしょう!
正規は引き続きリカーズベストが最安値を誇っています。

6本以上の購入_並行輸入

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※確認メディアは現実的にすべて網羅できないことをご了承ねがいます

テキーラに興味を持った方にオススメの知識

1800のご紹介、いかがでしたでしょうか。
1800は数あるテキーラブランドの中の一つです。当サイトはテキーラの基礎知識からカクテル、色々なブランドの紹介をしております。テキーラは作り方で大きく味わいが変わるお酒で、知識があったほうが更に楽しめると思います。是非、いろいろなテキーラの記事をご覧いただき、お酒ライフを更に楽しんでいただければと思います。

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著者情報

  • 著者名:テキーラダディ
  • 本業:非アルコールの食品系業界のマーケティング部門
  • 資格:日本テキーラ協会認定テキーラマエストロ(100期代)
  • テキーラ関連の経歴:2009年に北海道にあるバーで本格的なテキーラに出会い目覚める。2023年にはハリスコ州内の蒸留所見学を果たす。テキーラ以外にもスコットランドのアイラ島など各地の蒸留所、国内のウィスキー蒸留所、シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュ、国内の酒蔵、ブリュワリー、ワイナリーなど全世界のアルコール製造現場を巡る。

Twitterはおすすめ銘柄などを発信

筆者のインスタでは蒸留所の美しい風景などをアップしています。ぜひフォローしてください!

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